6「覗きはやめろよ」

 10巻を並べた。

 「バーコードですね、やっぱり。」

 「読み取ってみよう。」

 バーコードを読み取った。




 どうやったか説明しよう。

 そのままでは大きいので、まず写真を撮る。

 それでも読み取れないので、さらにそれを紙に写す。

 それを読み取り、出てきたものがこれだ。

 「ワン、ツー、スリー。」

 「言うと思いました。」

 「えーと、2年3組男子、野染木か。」




 龍一に優理から無線が来た。

 「あ、龍一。3年3組の野染木って男子調べておいて。」

 「了解しました。」




 「愛美さん、3年3組の野染木って奴です。」

 「分かったわ、行きましょう。」




 「この席ね、その覗き魔は。」

 「名前がそうですしね、もう。更衣室の鍵とかですよ、出てくるの。」

 龍一は野染木の机の中を調べる。

 「ほら、やっぱり出てきました。」

 野染木の机の中からは、更衣室の鍵が出てきた。

 「よくばれなかったものね。」

 「この鍵を研介さん達に渡しましょう。」




 「いいな、更衣室行けて。」

 「好きで行ってるわけじゃないんですけど。」

 「大斗さん、更衣室の鍵です。」

 「おう、サンキュ。」

 舞は大斗に更衣室の鍵を手渡した。

 「全く、素直になったらどうです。」

 「俺はお前みたいな変態じゃない。」

 その後、優理が研介に向かって小声で何か言った。

 「スク水、宜しくね。」




まずは、女子更衣室に入った。

 「とりあえず、片っ端から開けていこう。」

 開けていくと、気になる物が2つあった。




 まず1つめ。

 大斗が開けた3つ目のロッカーだ。

 「え!?」

 大斗は驚いた。

 「どうしたんですか?」

 何故だと言うと。

 「何でここに男子の制服が入っているんだ!」

 ということである。

 「いてもいいんじゃないですか?」

 「何が!?」

 「男装趣味ですよ。」

 「断層?あんな地層見るために、わざわざ男のかっこうするのか?」

 「いや、違いますよ。男装です。断層ではないです。」

 「ああ、弾薬はたいせt」

 「それは弾倉です。男装です。男装。」

 「分かってるって。」




 次に2つ目。

 研介が開けた、7つ目のロッカーだ。

 研介はそれを手に取った。

 「大斗さん、この本やけに薄いんですが。これ、春画じゃないですか?」

 「2話連続で春画の話とかやめろ。」

 「えーと、幼女幼女。」

 研介は本のページをめくる。 

 ペラペラと。

 いや、その速さはペラペラというより、バラララという感じだ。

 「うわ、これはかなりハードな。」

 「話を聞け。」

 「後で優理に持って行ってあげよう。」 

 「そんなものは置いていけ、行動の邪魔になる。」

 「えー。」

 「当たり前だろ。そんなことしてて、後ろで儀式されてた、なんてことになりかねんからな。」

 「いや、あれは人間の所業じゃないです。」

 まあこんなところだが、簡単に言うと、なんの成果も得られなかったのである。




 男子プール更衣室は、扉が歪んでおり、中に入ることは出来なかった。




 しょうがないので女子プール更衣室に入ると、ゾンビが2体いた。

 先に入った研介は、ナイフを取り出すと、ハヤテのごとくゾンビの頭に突き刺した。

 後に入った大斗は、もう1方のゾンビにボディーブローとストレートを繰り出した。

 「大斗さんの腕力ってどのくらいですか?」

 「さあな、分からん。でも、このくらいの相手、格闘で倒せるだろ。」

 「出来なくもないですが。」

 2人はその後探索をしたが、何も出てこなかった。




 その後、プールの方へと行った。

 研介は、何かを発見する。 

 「大斗さん、あそこに何か落ちてません?」

 プールの中に、何か光が反射しているのが見える。

 「本当だ、お前行ってこい。」

 「え!?俺が?」

 「ああ。」

 「えー。」

 「つべこべ言わず行ってこい。」

 研介はぶつぶつ言いながらも、靴と荷物を置き、プールの中に入った。 

 「うお!痛!」

 足の裏に何かが刺さった。

 「どうした。」

 見ると、中にはガラスの破片が落ちていた。

 「ガラスの破片が落ちてました、大丈夫です。」

 大斗は上を向く。

 3階の窓が割れているのに気が付いた。

 「あれ、あそこ窓割れてね?」

 研介も上を見る。

 「本当ですね。」

 「全く、愛美と龍一も盛大に戦ってるな。研介、足元に気をつけろよ。」




 研介は鍵を拾うと、プールから上がった。

 「何の鍵だ。」

 「調理実習室の鍵です。」

 「調理実習室、確か3階だったな。」

 「あの…」

 「何だ?」

 「あの、服が濡れているんですけど、どうしたら。」

 一応一言。

 研介は、プールに入った後である。

 「そんな事は後だ、先に鍵を渡すぞ。」

 「ええ~。」

2人は廊下へ戻る。

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