3「探索どうでしょう」

 「皆聞いてくれ。」

 そう言ったのは大斗だった。

 「いつまでもこの一室にいるのは危険だ。探索をする。まずは学校、ここをキャンプ地とする。」

 「2人一組になって、それぞれ一階ずつ探索しよう。」

 「え、この学校4階建てですけど、ここには6人しかいませんが。」

 「4階行く階段は、シャッターがしまっていて、どこかで操作しないと開かないわ。」

 「そうなんですか。」

 「舞ちゃん一緒に行こうよ。」

 「いいですよ、優理さん。」

 「ちょっと待て、不安しかないんだが。」

 大斗が手を前に出して言った。

 「大丈夫だよ、問題ないって。」

 「それだといいんだが。」

 「龍一、一緒に来なさい。」

 「分かりました。」

 龍一は愛美に頭を下げていた。

 「なんか主従関係が出来ているんだが。」

 研介はその風景を見ながら言った。

 「後は俺らだけか。」

 大斗が言った。

 「腐女子歓喜ですな。」

 優理がそれに反応し言った。

 「俺は男に興味はない。」

 「はい、そうっすね。」

 「俺らは1階を探索する。愛美と龍一は3階を、舞と優理は2階をやってくれ。」

 「分かりました。」

 「いいわ。」

 「よし、行動開始だ。」

 研介達は別々に分かれた。



 「てゆか、2階のあいつがメッチャ不安なんだが。」

 「大丈夫でしょう。」

 「違う、そうじゃない。ツッコミがいないんだ。」

 「まあいいですよ。」

 「さて、昇降口が開いているから、大量のゾンビが集まってきました。」

 「すんなりとは行かせてくれねえか。しょうがない、片付けるぞ。」

 「はい。」




 研介は銃を構え撃ちまくると、次々とゾンビが倒れていった。

 しかしゾンビの量が多く、まだ動いているのが多かった。

 「弾切れか。」

 「おっと、次はこっちの番だ。」

 研介がリロードをしていると、大斗は2つナイフを取り出し、ゾンビ達の中に飛び込み、ダブルラリアットをした。

 大斗はゾンビの群れを抜けて行った。

 ゾンビは大斗の方を向いた。

 「今度は、こっちだ。」

 研介はナイフを取り出すと、次々と切っていった。

 ゾンビの数ももう少しとなった。

 「これで最後だ。」

 2人はプラスチック爆弾を取り出すと、それを投げて起爆した。

 「ふう、あらかた片付きましたね。」

 「そうだな。」

 ゾンビの数はかなり減り、代わりに、大斗が持っているナイフには血が垂れ、床には空薬莢が散らばっていた。


 一方2階では。

 「それでは、行きましょうか。」

 この時、優理は思った。

 (こんな状況じゃなきゃ良かったのに。)

 「あの、どうかしましたか?」

 「あ、いや何でもない。」

 (舞ちゃんなんであんなに大きいんだろう。私より大きいじゃん。まあ、私も愛美ちゃんくらいに小さくないからいいけど。)

 「?行きますよ。」 

 こんな会話があった。




 「んじゃ、行くか。」

 「血が垂れてるナイフ持ってる人に言われると、めっちゃ怖いんですが。」 

 「しっかし、どこも鍵がかかっていて開かないな。」

 「食堂のドアが開いていたはずです。」

 「よし、行ってみよう。」




 「ここが食堂か。」

 「見た感じ、目ぼしい物はないですね。」

 「しらみつぶしに探すぞ。」

 「はい。」

 机の上、椅子の下から始まり、あらゆる場所を探した。

 「何もないです。」

 「こっちもだ。」

 (今日の献立カツか、旨そうだな。)

 「残りはこの調理場ですね。」

 「ここからじゃ行けそうにねえな。」

 「外に入口があるようです、行ってみましょう。」




 「ここが入口ですね。」

 「ちっ、鍵がかかってやがる。」

 ドアノブ近くには、南京錠があった。

 「これを解除すればいいんですね?」

 「ああ、そうだな。しかし、1つずつ試すのは無理だ。4桁の番号なんて1万以上あるからな。」

 「それじゃあどうするんですか?」

 「大丈夫、学校には必ず、こうゆうのを解く奴がいる。」




 3階。

 「2年1組、まずはここから探しましょう…って龍一、何を見ているのかしら?」

 「あ、すみません。ちょっとここの2年のテスト順位を。」

 「ふうん、順位ねえ。この加藤って人が1位、パっとしなさそう。」

 「この佐々木という人が最下位らしいですね。」

 「まあ、そんな事はどうでもいいから、早く探しましょう。」

 「分かりました。」

 「さて、何かあったかしら。」

 「この机の上に書かれているこれ、何かの番号じゃないですか?」

 机には『5827 調理室の番号』と書かれていた。

 「これ、教えた方がいいですよね。」

 「!、伏せて!」 

 愛美は突然言った。

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