第3話 できたー!
まずは、バスの前と後ろを横に並べて繋ぎわせるところから始めた。
「マイルカさーん。そこの丸太同士を縄で巻いてもらえますか」
「いいよー。こんな感じ?」
「はい、それで大丈夫だと思います」
それからカバンちゃんはアウトリガーだった丸太と、外した日よけを見ながら次の指示をだした。
「サーバルちゃん、丸太のここと、ここに溝を彫ってくれる?」
「まかせといて!」
サーバルがミャミャっと丸太に溝を彫っている間にフェネック達は日よけに袋を継ぎ足した。
カバンは日よけの枠をサーバルが彫った丸太の溝に合わせると、縄でしっかりと固定した。それから出来あがったものをみんなで真っ直ぐ立てて固定すると、立派な帆船の出来上がりだった。帆が風にはためいた。
「できたー!」
無事に帆船が完成したが、フェネックがあることに気がついた。
「あー、でも、かばんさん、風は横向きだよ」
「えー、それじゃ前に進めない?」
「どうしましょう。ラッキーさん」
「ダイジョウブ ダヨ。 ホセン ハ ショウメン イガイ ナラ ドノ ムキ カラ カゼ ヲ ウケテモ ススメル ヨ。ホ ノ カクド ヲ チョウセイ スル ヒツヨウ ガ アル ヨ」
みんなで帆の向きを変えると帆船となったバスが動き出した。
みんなが喜んだのもつかの間、しばらくすると今度は風がやんでしまった。
「あれー、風がなくなったね」
「アワワワ」
「ラッキーさん…」
「こうなったらアライさんにおまかせ…」
その時だった。
「すぐ近くに、ごごくちほーに向かう潮の流れがあるから、それで楽に行けるかもしれないよ」
周辺へ泳ぎに出ていたマイルカが戻ってきて言った。
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