ハーモニー

 私はグーを出した。彼はパーを出した。彼女はチョキを出した。

「あいこだね」

 三人で苦笑いをした。座席が決まらないから、車で出かけるのはやめた。

 私は彼が好きだった。彼は彼女が好きだった。彼女は私が好きだった。

 くるくる順番を変えながら、海沿いの道を並んで歩く。三人で歌ったらとても綺麗なハーモニーになった。

 このままゆっくりと三人とも別々の方向に進んで離れていくのが一番幸せなのかもしれないと少しだけ思った。





終わり

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る