愛の夢
眩しい。視界一面の白。左右の壁と天井は緩やかに波打ち、光を放つ。前後は白い闇。トンネルのようだった。
足元には百合が敷き詰められている。薄い磁器の白い花。それを裸足で踏みながら、私は歩いている。
細く高い音を立てながら割れる花は香らない。代わりに、足から流れる血の匂いがまとわりつく。冷たかった花びらの感触は、痛みの熱さに消える。ぬるぬると滑り、何度も転び、あちこち傷だらけだ。
いつから、どうやって、なぜ、私はここにいるのだろう。何のために。
考えても分からないから歩き続けているけれど、出口は全く見えてこなかった。
終わり
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