第2話 学級委員.....
結局、咲宮とは会話ができなかった。
こうして僕は中学校生活の初日を無駄に使ってしまった。
それにしてもどうして反応がなかったのだろうか。
――――咲宮穂和の家
あの人、結局日下部っていう名前だったんだ...
なんて言ってるかぜんぜんわからなかった..
不思議な人だったなー。
――――次の日、僕はまた咲宮に会った。
「よう、咲宮。おはよう」
「あ、日下部くん!おはよう」
今度は反応してもらえた!それにしてもかわいい...
「ねえ日下部くん、君はどこにすんでいるの?」
咲宮がはじけるような笑顔で言う。
「俺は吉祥寺から来てるが」
「吉祥寺?私と一緒だね!どこらへんに住んでるの?」
「西の方だ」
なんていう何気ない会話(もちろん僕にとってはすごく嬉しいことだが)をしていると、あのおじさんが教室に入ってきた。
「はい、座って―。席に帰るー。」
お前は土に還れ。
「えー今日はね、クラスに貢献してくれるね、委員会とね、係の人を決めたいとおもいます」
一番クラスに貢献してないやつが何をいうか。
お前なんかむしろ悪影響だ。教育に良くない。くたばれ。
「それではね、まずはね、クラスの代表者であるね、学級委員を決めたいと思います。そうしたらね、司会はね、その人達にね、回そうと思います」
まじうぜぇ...。まぁ学級委員が決まればあのゴミジジィの声を聞かなくてすむからありがたい。
「それでは立候補してくれる人ー」
誰が手なんか上げるんだ...
「私がやります!」
.....咲宮!?
「お、おい、なんで...」
「私ね、小学校の頃まわりにぜんぜんついていけなくてクラスのためになにか出来たことがなかったの。それで中学校ではすこしでも活躍したいなって!」
なんだこいつ...意外と活動的じゃないか。
「でも私、一人だと寂しいから日下部くんもいっしょにやろう!」
おい!巻き込むなよ!
「はっはっはっは。仲がいいな。どうだ日下部、いっしょにやってやれ」
おめぇも賛成してんじゃねぇ!
「先生!その子では心配です。私がやります」
その時、あきらかに6年間クラスのリーダーだった感をかもしだしている女子が立ち上がった。
いいぞ!さあ咲宮、譲るんだ!ジジィも賛成しろ!
「あぁ神崎、気持ちはわかるがお前はもう3年も学級委員をやってたそうじゃないか。咲宮もこう言ってることだし、ここは譲ってやれ」
おい!何咲宮の味方してんだよ!
「わかりました。咲宮さん、がんばってください。」
おいぃぃぃぃぃ!おめぇもそこであきらめんじゃねぇ!」
「それではね、学級委員は咲宮さんと日下部くんに決定ですね」
ちょっ、俺の意見無視かよ!
あーやめろお前ら、拍手してんじゃねぇー!
――――こうして僕はめでたく学級委員になってしまいました。
神よ、F●CK YOU。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます