僕はコミュ障かもしれない
わらびもち
第1話 新生活.....
僕の名前は日下部コウ。最近中学生になったばっかりだ。
小学校の頃は友だちと呼べる友だちもなく、ただ毎日がむなしいだけだった。
そして何を思ったか進学塾に入り、なぜか合格してしまった。
多分もっといいクラスメートを求めていたのだろう。
だけど僕は忘れていた。
――――はじめての登校日。
知ってる顔がひとつもねぇ.....
まぁ塾でも友だちなんかいなかったし当然といえば当然だが、それにしてもこれはないだろう神様よ。
まぁとりあえず教室に到着した。
黒板に座席表が貼ってある。もちろん名前順。
なんだよこれ....
僕のまわりは全員女子。しかも先生の前。そして僕の席は女子共によって占領されている...
嗚呼神様。僕に死んでほしいんですね。
それならいっそトラックにでもひかれさせてください。
僕が神に文句を言っていると、先生らしい人が来た。
こんな時アニメとかならどう考えても10歳くらいの先生が入ってくるのだが、現実はそう甘くはなかった。
「はい座って―」
可愛さのかけらも感じられないおじさんが入ってきて、吐き気がしそうな声で言った。
でも僕の机のまわりにむらがっていた害虫共が消えてくれたので少しだけ感謝。
「えーきみたちはぁ、今日からね、この創立200年を誇る正教中学校のね、生徒の一員ですからね、是非その自覚を持ってですね、これから6年間がんばっていきましょうね。へっへっへ」
うん、くたばれ。
いろいろとツッコミどころはあるけどとりあえずくたばれ。
「それでは、しばらくクラスのみんなとお話してようねぇ」
なげんなカス。
しかし、意外にもクラスの奴らは自分のまわりの人と話し始めた。
まわりがみんな女子な僕はなすすべもなく放心していた。
隣を見ると、おとなしそうな子が一人でいた。
僕はラブコメ的な展開を期待して、思い切って話しかけてみた。
「や、やぁ。俺は日下部。君は?」
しかし、その子は不思議そうな目で首を傾げただけだった。
かわいい.....
でもその子は答えようとしない。どうしてだろう。
すると、その子が口を開いた。
「えーっと、私は咲宮穂和だよ。君はなんていうのかな?」
名前ならさっきいったはずだけど....
「俺は日下部っていうんだ。よろしくな!」
でもやっぱり反応がない。
「えっ、あ、ごめん。よく聞こえなかった..あはは。も、もう一回いってくれる?」
聞こえなかった?ちゃんと言ったはずだけど...
仕方ない。もう一回。
「俺は日下部。よろしくな!」
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