第14話 そんな日々が星のように
人は生まれついた時から平等ではあらず。
弱者は潰され強者は上に立つものなり。
人は争いに負けたのならば代償は支払うものなり。それ即ち「人としての権利」なり。
セカイに神あらず。悪魔あらず。
セカイは人が造り上げるものなり。
敗北者は勝者に歯向かうことあるべからず。
第14話 そんな日々が星のように
『共和国壊滅まであと七日!』
イエァァァ!!!皆口を揃えて言う。学校の物置から引っ張り出してきたような古びた黒板でたった一色しかないチョークで'あと七日!'と綺麗に書いてある。ユウキは自分の手に持ったクリップボードを腰に当て目線を黒板へと移す。正式な日数はあと三日だが、そんな陽気ムードに包まれた部屋がユウキは大好きだった。その黒板をいつも笑いながら書いていたシラン。
昨日死んだ。
悲しむことも出来なければ、同情することすらできない。そんな俺たちを許して欲しい。
そんな七日から動かない時の止まった黒板をしばし見つめてホッとため息を吐いた。ユウキの住むリムア国は絶賛世界最大軍事国家アレクダルア共和国と戦争中だ。今は泥沼の硬直状態だが、いつ開戦されるかわかったものではない。そんなリムア国は人材不足を補うため急遽高校生を軍に入隊させるという特別な司令が下された。そして勇気は軍に強制的に入隊させられ、第二十七アレク迎撃小隊の小隊長に任命されて、現在に至る。が、昨日の偵察任務で誤操作をしたシランは死んだ。だが仲間が死ぬのはもう見飽きた。かな意味という感情は僕らから消えてなくなる。キレイさっぱりに。そして今日も同じように偵察任務が下される。第二十七アレク迎撃小隊のユウキコードネームは『アナザーテイカー』
副隊長を務めるのはシャーガーコードネームは『エレメンター』。
人ひとりがぎりぎり座れるコックピットに彼らは乗り込み偵察任務を行っていた。
ユウキはここぞとばかりに隠し持っていたポルノ雑誌を手に取り開いた。
「......誰だページやぶったやつぅぅ!!!」
「なんすか隊長。うっさいっすよ」
「うっさいだとぉ!?俺がわざわざ超恥ずかしい思いまでして買ってき本だぞ!?本屋に入ってエロ本を女性店員に持ってった時の恥ずかしさ!修羅場だぞ!お前らにこの気持ちがわかるかぁ!」
「んじゃあ買わなきゃいいじゃないすか」
「うるせえリメーバー!僕はエロ本が命そのものなの!」
アキト。コードネームは『リメーバー』。
そんなバカバカしい話題でユウキのテンションは異次元化していた。
「どぉぉせお前だろメイデン!」
「隊長が悪んですよ」
カルマ。コードネームは『メイデン』
「くそぉ......俺は...何も守れなかった…エロ本さえも!!!!」
「隊長。かっこよく言ってますけど内容が虚しすぎますよ」
「虚しくねぇ!さっきから言っているだろう
が!ポルノ雑誌正義!命の源!」
「ちゃっかり正当化しないでくださいよ!!」
「する必要性なし!買い戻してきてやる!」
「何かしでかす前に警察呼びますよ!?」
『隊長。任務に集中してください』
エミヤ。オペレーター。コードネームは『サプセント』
そして体調気は突然転ぶ。
『ダカラタイチョウハナンデシュツゲキスル
タビニキタイヲコワスンデスカーーーーー!!!!』
「うるさいなぁかたごとめ...お前は歩くスピーカーか!」
『歩いてません!ずっと椅子に座ってます!』
「あっそっか。サプセントってオペレーターだったっけ」
『何ですかそれ!私が働いてないみたいじゃないですか!』
「本当のことじゃん」
「「ハハハハハハハハハハハハハ」」
ゲラゲラ笑いながら何もに平凡な一日は流れていく。こんな日々が永遠につつけば。
___いいのに。
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