第13節 【1714~1917年 ハノーヴァー朝②】

前回のメインである「オーストリア継承戦争」の後、今度は「七年戦争」が勃発。この戦争も、イギリスはプロイセンの補助で参戦する。というか、この頃のイギリスはほとんど空気に近い。だって大体戦争してたのが周りの国々だからね……


七年戦争の目的は、オーストリア継承戦争で割譲したシュレジエンの奪回。マリア=テレジアが画策した。この戦争の主役は、オーストリアとプロイセン。オーストリア側についたのは、フランス・ロシア・スウェーデン。一方プロイセン側についたのはイギリスのみ。

前回の内容を踏まえると、イギリスやフランスの立ち位置、ちょっと違和感がある。オーストリア継承戦争時の対立図は、「プロイセン・フランス・スペイン VS オーストリア・イギリス」。ところがこの七年戦争、イギリスは前の戦争で敵だったプロイセン側についている。

というのも、オーストリア継承戦争が終結するまでのヨーロッパ史は、オーストリア=ハプスブルグ家とフランスが対立していて、それを基軸に動いていた。しかし新たな脅威・プロイセンが現れたことによって、マリア=テレジアはフランスとの同盟もやむなしと考え、防御同盟を立てることにした。


マリア=テレジア「プロイセン怖いから同盟組も?」

フランス「しゃーねーな」


ということでオーストリアとフランスが同盟になる。で、なぜイギリスがオーストリアと敵対したかというと、英仏百年戦争で争っていたから。別の戦争の敵国が味方にいるって気まずいもんね。


イギリス「オーストリアの味方したいけど敵国フランスいるしな……プロイセン応援しよ」


今回の対立図としては、「プロイセン・イギリス VS オーストリア・フランス・ロシア・スウェーデン」となる。この2つの戦争は時期も近いからよく間違われるけど、対立図がややこしいから気を付けよう。


この戦争以降のイギリスでは産業革命が起こり、海外市場の拡大、資源の産出、科学革命と非常に国内が富んでいく。飛び杼や力織機りきしょっき、水力紡績機や蒸気機関など、とにかくイギリス国内フィーバー状態。これらを経て、イギリスは資本主義体制を整えていく。しかし、内政では波乱の幕開けとなる……。

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