第7節 【1485~1603年 テューダー朝①】

初期のテューダー朝は宗教が絡んでくる。順を追って説明しますのでご安心を。


前述のヘンリ7世の後を継いだのが、息子のヘンリ8世。

彼の功績は首長法の発布、イギリス国教会(聖公会)の設立、そして絶対王政を確立させたこと。特にイギリス国教会の設立は大変重要。


その前に首長法から。

首長法、別名国王至上法とは、その名の通り「国王最高!」っていう法律。以上。

それを踏まえて、彼は元々カトリック教徒であったのに離脱、そしてイギリス国教会を設立した。


まず「カトリック」についておさらいしよう。

カトリックというのは、簡単に言うとキリスト教最大の教派である。

キリスト教は元々迫害されていた。それが公会議とかで認められ、更に東西分裂だとかで様々な教派が出来た。カトリックはそのうちの1つ。

教派はざっくりと東方教会、西方教会と分けられる。カトリックは西方教会ね。

「ローマ法王」、もしくは「ローマ教皇」という名前を一度は聞いたことがあると思う。バチカン市国にいるお偉いさんのことですよ。そのお方はカトリックのトップなのです。

つまりカトリック≒キリスト教です。しばしばローマ=カトリックとも表記されます。


で、ヘンリ8世は、イギリス国王をトップとするイギリス国教会を作って、自分をトップにした。

何でこれを作ったかというと、カトリックの教義のうちに「離婚してはならない」というものがある。

しかしヘンリ8世は、妃のスペイン王女キャサリンとの離婚で、宗教的に対立することになった。

そのため、新しくイギリス国教会を作ったのである。

なぜ離婚するはめになったかと言うと……要は浮気です。離婚するがために新しい教派を作ってしまうとは恐ろしい。

生涯6人も妻を持ったというから驚き。そりゃあローマ法王から破門されても仕方ないわ。


彼の3番目の妻との間に出来たエドワード6世が、ヘンリ8世の次期国王として即位。だがエドワード6世は16歳という若さで逝去してしまう。


ヘンリ8世(遺言)「エドワード6世の次の国王はメアリ1世でよろ^^」


このメアリ1世は、前述した最初の妻、キャサリンの子である。

母がカトリックであったため当然彼女もカトリック信者。それ故カトリックへと復帰した。

彼女には彼女なりの理由=ローマ法王との関係修復もあり、カトリックへ復帰するだけではなく、スペインとの関係回復のため、スペイン王フェリペ2世とも結婚した。


スペイン国民「何であいつイギリス国教会トップのお父さんがいながらカトリックに戻ってきてんだよふざけんな」


関係回復どころか、国民の反発を買っちゃってむしろ関係悪化してしまう。

頑張れメアリ!




◇おまけ

メアリ1世は短期間でカトリック復帰策を強行してしまったがために、「反対する者絶対殺すウーマン」でプロテスタント化(カトリックから離脱・抗議する動き)を進めてきた聖職者たちを焼き討ちにした。

それが反カトリックの人たちからとんでもない批判を受け、「血のメアリブラッディ・メアリ」と呼ばれていた。厨二かな?

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