第6節 【1461~1485年 ヨーク朝】

イギリスは百年戦争も終わってほっと一息……ついている場合ではなかった。


少し時系列を遡るが、A級戦犯エドワード3世には、エドワード黒太子の他に、ジョンとエドモンドという息子がいた。欠地王ジョンとは違うよ。欠地王はヘンリ2世の息子だからね。ややこしいわ!

このジョンが突然ランカスター公を名乗り始めた。孤立したがる習性……中二病か?

そんで当時プランタジネット朝の王だったリチャード2世(エドワード黒太子の息子)が会議で廃位され、ジョンの息子のヘンリ4世が即位し、ランカスター朝が始まった。おさらいだよ。

これに黙っていなかったのが、ヨーク公エドモンドの家系にあたるヨーク家。


百年戦争のフランスと同じように、国内に2つの王朝が誕生していた。イギリス乙。

んで、どっちが正式なイギリス王朝なのか、王位継承権を主張し合った。

とどのつまり国全体を巻き込んだ兄弟喧嘩だ。これが薔薇戦争。


ランカスター朝ヘンリ6世が精神疾患に陥ったことによって、王妃のマーガレットは国王支持派だった貴族たちをまとめた。ヨーク家は「やべぇぞこれ」状態になって、第3代ヨーク公リチャードが「セント・オールバンズの戦い」でランカスター派を打ち破り、1460年、ヨーク派はヘンリ6世を幽閉した。

しかし同年、ヨーク公リチャードがランカスター派に処刑させられた。


リチャードの後を継いだエドワード4世はウォーリク伯の支援を受け、「モーティマーズ・クロスの戦い」でランカスター派に勝利。これに対抗しようとしたヘンリ6世とマーガレットが北部で活動している間、ウォーリク伯は首都圏の支持を得て、エドワード4世が国王になるように仕向けた。

これによって、「タウトンの戦い」では勝利し、ヨーク朝を成立させる。


エドワード4世の死後、息子のエドワード5世が後を継いだところでまた新たな問題が出てきた。

エドワード4世の弟、グロスター公リチャード(リチャード3世)だ。


リチャード3世「兄はヨーク公の庶子腹違いの息子に過ぎない! 私こそが嫡子本物の息子だ!」


というやや強引な理由でエドワード5世を幽閉し、しかも殺害した。反対派の貴族や他の王位継承候補者も暗殺して、周りから恐れられていた。まるで絵に描いたような暴君。


その噂を聞きつけ立ち上がったのが、ランカスター家の家系にあたるテューダー家ヘンリ。後のヘンリ7世。

彼とリチャード3世は「ボズワースの戦い」で対立し、1485年、リチャード3世は戦死した。


けど一応リチャード3世はイギリス国王。

戦死したことにより、国王がいなくなってしまった。

そこでヘンリは自らが国王だと宣言。ヨーク家とランカスター家の生き残りたちの融合の象徴としてエドワード4世の長女エリザベスと結婚し、テューダー朝を開いた。

同時に、これで薔薇戦争は終結する。


ちなみに先程のエリザベスとエリザベス1世は全く別人なので注意。




◇おまけ

薔薇戦争という呼称、ランカスター家の紋章が赤薔薇、ヨーク家の紋章が白薔薇だったから……となっているが、これ、言われ始めたのが最近らしい。

しかもヨーク家の紋章が白薔薇だというのに至っては創作だとも言われている。

そんなのでいいのかイギリス王朝。


◇おまけ2

「リチャード」と「エドワード」がいすぎなので家系図が無いかなーと探していたところ、丁寧に記してくれていたのがWikiだった。

→https://ja.wikipedia.org/wiki/ヨーク朝#.E7.B3.BB.E5.9B.B3


いや……分からないよこんなの……

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