第81話 ひろうえん

「二人トモ オメデトウ」


「ありがとうラッキー」

「ありがとうございます!」


 彼女、泣きながら笑ってるじゃないか?こんな心も外見も綺麗な子が他にいるかな? 


 本当に俺でいいの?


「えへへ、グス… ごめんなさい、なんか僕ばっかり幸せになっちゃって…」


「そんなことないよ、かばんちゃんの幸せが俺の幸せだから」


「シロさぁん!だからズルいですぅ!ふぇ~ん…!」


 こんなに自分以外の人の幸せを願った事があっただろうか?


 ズルいものか… 今死ぬほど幸せなんだよ俺は、この幸せが何年も続いた後に死んでいきたいよ本当に。


「カバン 落チ着イタラ ブーケトスヲシテネ」


「ブーケトス?ですか?グスン」


 ラッキーの言葉で思い出した、そういえばそんなのあったなって。

 誰かの結婚式になんて行ったことはないので生で見るのはこれが始めてになりそうだ、しかも自分の結婚式。


「みんなに背中を向けてブーケを放り投げるんだよ、それを受け取った未婚の女性は次に結婚できるんだって?」


「フレンズニハ 女ノ子シカイナイカラ 可能性ハ低イケド シロトカバンミタイナ例モアルカラ 一概二ゼロトハ言エナイネ」


「という訳だけど、どうする長の二人?」


 男は俺の他にはいないけど、やるならやるでいいのではないだろうか?いつか既婚フレンズが増えるかもしれない。


「ではかばん、せっかくなのでやってみるのです」

「ケーキはその後でも構わないのです」


「わかりました!」


 長の二人がブーケトスの概要を皆に説明すると未婚女性の国ジャパリパークは俄然盛り上がった。


 まずはハンターの皆さん。


「結婚ですって?ヒグマさんどうですか?」

「私よりも強いオスが現れたらな」

「オーダーきついですよ…」


 そして高山のカフェの皆さん。


「結婚… 仲間ということね?」

「オスのトキ?そんなの見たことないんですけど!」ウジョウハガンケン!

「じゃあそのときは、カフェで結婚式?しよっかぁ?」


 次に温泉のお二人、ジャングルの子達。


「仕事を全部してくれる人がいいな…」

「あなたその間ゲームしたいだけでしょ…」


「ジャガー!私達も結婚しようよ~!」

「メス同士だろ~?… あれ?受け取ったら結婚って誰と…?」


 などなど、この子達だけではない、反応は色々だ。


「じゃあいきまーす!」


 かばんちゃんが声をかけ背中を向けると、皆面白がって身構えた。


「えいっ!」ポイー


 その時ブーケは空を舞う。


 すると下で待つフレンズ達はドッタンバッタン大騒ぎ。


 これが未婚の女性か… すごい気迫だ、気圧されてしまう。


「退いてくれライオン!あれをとって私は強いオスと出会うんだ!」←戦闘民族


「本当に会えるならいいねぇ~…」


「新しい漫画のアイディアの為に自らオスを受け入れるというのも悪くないかもしれないね!」←好奇心の塊


 わちゃわちゃしてる。


 あ~あぁ、あんなにはしゃいで?みんな怪我しないといいけど。


 やがてブーケは群れに向か落下していく。


「落ちてきたぞ!」


「おぉぉぉお!私がいただくぞォーッ!」 


「まっけないんだから!みゃーみゃみゃみゃー!」


 おーっとここでサーバル選手!すごいジャンプ力ぅ!やっぱりここは新婦の友人として負けられない戦いぃですかねぇ?


「うみゃ!あれぇ!?」パスッ


 あーっと!?なんとキャッチできずー!叩き落としてしまったー!猛者たちの群れから軌道が外れブーケが落ちていくー!?


 そしてストンと落ちた先それは。


「おぉ~… 綺麗ですねぇ!」


 \スナネコ!?/


なんとボーッと立っていただけのスナネコちゃんの手元に落下、ガチ勢のみなさんお疲れさまでした。


「でも騒ぐほどでもないかぁ… はい、ツチノコにあげます」


「いらん!」


 そんな波乱のブーケトスが終わるとようやくケーキ入刀の時間になった、俺と彼女はケーキを前にするとその大きさに改めて圧倒された。


 しかも自分達が作った本人なだけに感慨深い気持ちになってしまう。


「なんだか、切るのちょっぴり勿体ないですね?」


「がんばって作ったもんね?でもこれも大事な儀式だから、二人でキッチリこなそう?」


「はい! …でもこんなに大きなケーキどうやって切るんですか?」


 そう思われがちですがそうではないのです、普通に無理。


「いや、全体をずばーっといくんじゃなくて下の方サクッとやるだけでいいんだよ?それでお互いに食べさせてあげるんだって?」


「へぇ~… 頑張ります!」


 まぁ飽くまで儀式ですから、それじゃサクッといかせてもらいますか!刀を持って参れ!


 入刀用の包丁を要求、その時長が予め用意してくれた物を受けとった。

 

「さぁ二人とも!真っ二つにしてやるのです!」

「これを使うのです!」


「そうそうやっぱりこれくらい大きな包丁で… ってバカ!これマグロ包丁じゃん!いつ持ってきたのこんなの!」


「こんなに大きなケーキはこれを使わなければ切れないのです!」

「さぁ、お前たちの夫婦としての力を見せるのです!」


 何も一刀両断することないんだってばさぁもぉ~… 形が崩れるでしょうが?


「まったくもう… 別に真っ二つでなくていいんだって?」


「フフフっ、いいじゃないですか?やりましょうよ?」


「そう?あぶないよー?」


「僕、シロさんと一緒ならなんでもできます!」


 そこまで言われたらやるしかないなフヒヒ///と俺達二人はマグロ包丁を構えた。


「いくよー!せーのっ!」


「「よいしょー!」」スパー


 なんと見事切ることに成功、愛は無敵なのだ。


「新郎新婦の初めての共同作業よ!みんな拍手!」


 \ワー!ワー!/ \スゴーイ!/


 大きな拍手をいただいた。

 

「続いて“ファーストバイト”?っていうのをやるらしいわ!ケーキをお互いの口に運んであげるんですって!イチャイチャするのも大概にしなさい!それじゃ二人とも!張り切っていっちゃって!」


 とプリペンさんの司会が進みケーキをお互いに食べさせあう儀式、ファーストバイトが始まった。


 まず俺から。


「それじゃかばんちゃん、はいアーン?」


「恥ずかしいですね?エヘヘッ… アーン」モグモグ


「どう?」


「美味しいです!」


 俺が一生君を食わせていくよ?お仕事頑張ります、稼ぎないけど。


「じゃあ次はシロさんですよ?アーンしてください?」


「わーい!あ~…あー!?」


 なにぃ!?かばんちゃん!スプーンでかすぎぃ!?スプーンじゃないねそれ!?小さくてもスコップじゃないのそれ?いつ調達したんだ!


「「ふふ…」」


 その顔… 犯人はお前たちかチョイチョイフクロウ!お、おのれぇ~!?


「落としちゃだめですよー?」こんもり


 上等だ、もちろん俺は食ってやりますよ!一口で!こいやぁぁぁあ!!!←ヤケクソ


「それー!」

「かばぼぼぼば!?」モグモグ


 とまぁ見事食べきったわけだが、あご外れるかと思った…。

 マジもんのスコップねじ込まれたのかな?って感じ、かばんちゃんもわざわざ悪のりに付き合うことないのに。


 でも、本人が幸せなら… OKでぇす!

  


 それからウェディングケーキは皆に分配、やがて行き渡るとあんなに大きかったケーキもお皿だけとなった。


 そしてお待ちかねのこちら。


「美味しいケーキも頂いたところで、新郎新婦の友人代表からスピーチがあるわ!みんな注目!」


 するとステージにサーバルちゃんとツチノコちゃんが上がってきた。

 結局スピーチやってくれるツチノコちゃんさすがですよ、でも顔が赤いね?照れてるのかな?


「まずは新婦の友人代表!サーバルキャットのサーバル!」


「はいはーい!サーバルだよ!かばんちゃん!シロちゃん!まずはおめでとう!」


「「ありがとうサーバルちゃん!」」


 まず始まったのはかばんちゃんの一番の理解者であるサーバルちゃんのスピーチが始まった。


 彼女がいなければいまのかばんちゃんはいないだろう、素敵な女性と会わせてくれてありがとうサーバルちゃん?


 一度静粛に、スピーチに耳を傾ける。


「かばんちゃんと初めて会ったときは、狩りごっこですっごく怖い思いさせちゃったね?あの時はごめんね!それから何の動物か調べる為に図書館を目指して旅を始めて… なんだかあの時からかばんちゃんは特別で、もっと仲良くなりたいって思って着いていくことにしたんだ!」


「サーバルちゃん…」ウルウル


 既に涙を浮かべるかばんちゃん、サーバルちゃんなかなかいいスピーチするじゃないか。


「かばんちゃんがヒトってわかった後も旅は続いたよね?今度はヒトの住みかを探そうって!でもすごく大きい黒いセルリアンがでて、わたしを助けるためにかばんちゃんが食べられちゃって… あの時は本当に悲しくて… でも絶対助けたくって!それでもうダメ!ってときに博士達がみんなをつれてきてくれたから、みんなで協力してセルリアンをやっつけることができたよ!

 それにかばんちゃんがかばんちゃんのままわたしを覚えててくれてすっごくすっごく安心したよ!それからあの時は、ボスが犠牲になって海に沈めてくれたんだよね?ボスあの時はありがとう!」


「…」


 今日くらい何か言えよラッキー?

 と思っているとかばんちゃんがコソッと。


「ありがとうございますラッキーさん…」


「ドウイタシマシテ」


 サーバルちゃんは彼女の生い立ちみたいなものを語り始めたようだ。

 これまでいった場所会った人を思い出しているに違いない、かばんちゃんも静かに涙を流して懐かしんでいる。


「それから、かばんちゃんが島をでてゴコクエリアを目指すとき、わたしどうしても離れたくなくってついていっちゃって…」


「アライさんもついていったのだ!」

「アラーイさーん?邪魔しちゃダメだよー?」


「そうだね?アライさんとフェネックも一緒に!それで、ゴコクエリアでもいろいろなことがあったよね?会ったことのないフレンズにもたくさん会えて、そしてとうとうヒトの仲間を見付けたよ!カコさん元気にしてるかな?カコさんは何でも知ってるすごいヒトだったね?パークの歴史とか遠い海の向こうのこととか!」


 カコさんか、その話… 無理に聞こうともしなかったがいい機会だ、聞かせてもらおうじゃないか?


「でもカコさんが言ってたよね?海の向こうは怖いところで、誰もがみんなフレンズみたいに仲良くしてる訳じゃないって、ヒトの群は自分達と違うものを怖がってノケモノにするって… ヒト同士でものノケモノがでるくらいだって」


 そうかやっぱりこれ以上海を渡ろうとしない理由はそれか… 楽しく幸せに暮らしたいならパーク残るべきだ、それにかばんちゃんはヒトの“フレンズ”。

 

 向こうの連中は彼女をヒトとして扱わない。

 

 つまりそういうことだろう…。


 そしてそれは俺にも心当たりがある。

 クソ… めでたい日だってのに嫌なこと思い出しちゃったな。


「シロさん?大丈夫ですか?」


 そんな俺を見て彼女肩に手を触れた、俺は震えてる。


「手を… 握ってもいいかな?」

「はい…」ギュ


 スピーチは続く。


「でも、いっぱい勉強してキョウシュウに戻ったら外から来たっていうシロちゃんがいて!シロちゃんもすっごく優しくて、みんなの為に料理つくってくれて!シロちゃんみたいに優しい子ばっかりだったら、きっと海の向こうも楽しいとこなんだろな~?」


 なんて彼女は言ってくれるが、俺はそんなに良くできた男ではないんだよ?


「シロちゃんもいろいろあって大変だったけど、頑張って乗り越えてすごいよ!かばんちゃんのこと好きになってくれてありがとう!かばんちゃんのことよろしくね!」


 でもそれは任しといてよ?責任もってかならず守るから。

 

 しかし彼女の暖かいスピーチが俺を脅かし始める。


「二人がはねむーんに行く前、実はわたし二人の邪魔をしてると思って悩んでたんだよ?そしたらシロちゃんに見付かってそんなことないよ?って言ってくれて…」 


「え?そんなことがあったんですか?」


「あ、うん… すごく気にしててさ?俺もかばんちゃんもサーバルちゃんにはいてほしいからって話をしてね?」


「そうだったんですね、ありがとうございます!」


 しかしこの流れは猛烈に誤解を招きそうな気が…。


「それで!一緒にいてもいいんだって思ったらわたしたくさん泣いちゃって!そしたらシロちゃんぎゅーってして頭を撫でてくれたんだ!あの時はすごく安心したよ!シロちゃんありがとう!」


 しーん… ←空気が固まる音


 あ~やっぱり… やりよったなサーバルお嬢さん?くそ~!お願いお姉さん許して?


「シロさーん?」ゴゴゴゴ


「ひぇ… あの!サーバルちゃん目の前で泣いちゃったからね?ほら!ほったらかしにもできないし!」


「だから言ったのですシロ」

「今後もう八方美人はやめるのですね?」


 あぁクソ!女難の相め!あんな時に放っておけるかよ!


「不安な時はかばんちゃんもよくぎゅーってしてくれたんだ!だからシロちゃんもかばんちゃんも、お互いに辛いときはぎゅーとして頭を撫でてあげてね?二人とも大好きだよ!わたしからは以上!」


「サーバルちゃん…グスン ありがとう!」


 パチパチパチパチ!


 いいスピーチだった、そんなサーバルちゃんの最後の言葉でかばんちゃんもいつもの天使顔に戻ってくれたようだ。

 他意はなかったんだ、例えば道端で泣いている子供をほったらかしにする人がいるかなぁ?いないよなぁ?だから俺も泣いているサーバルちゃんが落ち着くまで胸を貸したんだよ?辛いときは誰かにすがりたくなるものさ、そうだろ?


「…」グニィ~


「あいたたたた!?ごめんごめんつねらないで!本当にごめん!」


 教訓!簡単に女の子を抱き締めるものではない!


「では続きまして、新郎の友人代表ツチノコがスピーチをしてくれるわ!」


 おや?いよいよツチノコちゃんの出番か?


「うぃ~…よしやってやる…」


「ツチノコ!顔が赤いわ!?それになんだか臭いわよ?何の臭い?」


 うわ~酔ってんだよあれ、ほどほどにしろと言ったのに。


「シロにかばん!お前ら幸せか!」


「はい、幸せです!」

「あ、うん最高です」


 酔ってるよ~… でもそうだよね?照れ屋さんだもんね?やけに堂々としてると思ったら酒の力で人前に出たのか。


「よしそれでいい!オレはシロと会った最初のフレンズでな?丁度博士達に頼んで遊園地で調べものをしていたときだ、なぁ?あん時は驚いたぞ?」


「俺は今も驚いてるよ」


「真っ白い頭した見慣れないやつが港から遊園地に向かって歩いて来たと思ったらオレの追跡に気付きやがってな?逆に追い詰められてしまった… なんだこの冴えないヤローは?と思ったが、ヒトと判るや否や博士達が連れ去った」


 思い出すね?パークに来たばかりの頃、遠目にツチノコちゃんが見えて話し掛けに行ったんだ。


「次に会ったときは一月後くらいだったっけな?港でらセルリアンが湧いて俺は動けなくなってとっさにシロの船に飛び込んで様子を伺っていた、そこでお前が戻ってきたんだ、何しに来たんだっけか?」


「船に調味料とか道具を取りに行ったんだよ」


「あぁそうだった… お前優しいよな?オレが帰れないの知ったら一緒に帰るって言ったり、ロッジの森でセルリアンの囮になったりさ?」


 そうだ、旅をしたんだ… ほんの二~三日くらいだったけど恋愛とか関係なく二人で。


「でも見栄っ張りだよな?カフェに行くときは一人でロープウェーこいでぶっ倒れやがってよ?」


「うん…」


 そう、あの時彼女は肩を貸してくれて…。


 なぜだか胸が熱くなる、ツチノコちゃんとの旅がつい昨日のことのように思い出せる。


「帰るなり地下迷宮のセルリアンだ… あん時は無理して慣れてない野生開放して全部やっつけてくれたな?助かったよ、スナネコの分も礼を言う、命の恩人だ」


「うん…!」


 野生開放、パークに来て人前でしたのは初めてだった。

 気味悪がって避けられると思ったのに彼女はまた心配してくれた。


 なんだか涙が溢れてきた… 君だって優しい、俺のこといっつも気にかけてくれた。

 初めてみんなに自分の真実を話すときも勇気づけてくれた。


「成長したな?すっかり野生を飼い慣らしやがって、さすがはヒトの子だ」


 ヒトだって?それは違うよ。


「半分だけだよ、俺はヒトの姿をした“猫の子”…」


「そうだな、泣き虫なお前なんか猫で十分だ!」


 自分の野生に振り回されて諦めてたときも希望をくれたのは君だった、今の俺がいるのは君のおかげなんだ。


「でもお前、さすがに死にかけた時は心配したぞ?かばんもそうだろ?」


「はい、すごく…」


 それで… そうだ、君はしばらく残ってくれて。


「あの時お前とカレー作ったよな?なかなかよかったろ?」


「うん…!」


「シロさん…」ギュ


 ボロボロ涙を流す俺の手をかばんちゃんが握ってくれた、それ以上はなにも語らない。


「まぁいろいろあったが、最高にオレの心に残ってんのはやっぱりあれだ… 飛行機セルリアンの時のあれ、なんて言ったか覚えてるか?」


「もちろん…!」


 スッと息を吸うと二人で声を重ねた。


「「ツチノコちゃんに手ぇ出してんじゃねぇよ」」


 ツチノコちゃんはニッと笑った。


「お前は優しいよな?」


「ツチノコちゃんもね?」


「今幸せか?」


「もう最高に…!」


「なら、オレも幸せだ!」


 最後にツチノコちゃんは言った。


「オレはお前が好きだ、かばんも好きだ!お前ら二人とも変わってんだよ、こんなオレとも仲良くしやがってさ?だからそんなお前らが幸せそうにしてたらオレも幸せだ… お前らヒトは何でもできるかもしれないが、二人ならもっといろいろできるはずだ、だから支えあえよ!」


「うん!」

「はい!」


 パチパチパチパチ!

 と大きな拍手が会場を包み込んだ。


 その後は感極まって三人でボロボロに泣いてしまった、ツチノコちゃんは素なのか泣き上戸なのかわからないがあんな風に泣くのは初めて見た。


 とにかくそうして結婚式は最高の思い出になった、俺とかばんちゃんは夫婦としてこれからいろいろあるんだろう、いつか子供もできるんだと思う。


 苦労かけるだろうし俺自身も苦労するだろう… でもいいんだ?かばんちゃんが隣で笑ってくれたらどんな困難も乗り越えられる、彼女がいればなんだってできるとそう思う。


 もっと幸せなるよ、パークでできた初めての親友との約束だもの。


 父さん母さん… 勝手ですいませんが家族ができました。 



 俺今、幸せだ!





 そうして月日は流れた。

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