第80話 けっこんしき

「サーバルちゃん!ただいま!」


「うみゃー!かばんちゃん会いたかったよー!」


 なんやかんや図書館に帰宅しました、二人の再会を見てるとまるで姉妹のようで大変微笑ましい限りですね?幸せな男シロです。


「シロ、よくぞ戻りましたね」

「予定通りなのです」


「ただいま二人とも、サーバルちゃんたちとの生活はどうだった?」


「騒がしくて仕方ないのです」

「おちおち本も読んでいられないのです」


「ははは、静かな方が好きだもんね二人は?」


 長の二人はやれやれという感じだったが、どこか少し表情には笑顔が見える、大概二人もツンデレなのとこがあるから実は楽しいとか思ったんだろう。


「二人ともおかえりなのだ!」


「ただいま、その後どう?ちゃんとできた?」


「バッチリなのだ!」

「そっちはどうだったー?ちゃんとできたー?」


 なんだなんだ?フフフ… 知りたいのかーい?答えはこれだ!


「…」グッ! 無言の立て親指


「おぉ~!」


「どういう意味なのだ?アライさんにも教えて欲しいのだ!」


 ハッキリとは伝えないが、とっても“仲良し”してきたって意味で本当の愛はここにある… そう言ってやったぜ!


 ところでいい匂いだね?何か作ってるのかな?


「アライグマにフェネック、例のものはどうですか?」


「さすがに荷が重いのだ、オーブンが小さすぎてあんな大きな物は作れないのだ!」


「やれやれまったく、ポンコツだらけなのです…」

「それではダメなのです、なんとか作れないのですか?」


「えぇ~二人も作れないクセにポンコツはないよ~…」


 辛辣だこと、上手くやってるはずだろう?今度はうどんじゃないはずだ、何を作らせたんだ?


「どうしたんですか?」お耳ナデナデ

\ウミャァーカバンチャンソコイイヨー/


「なんの話し?あんまりワガママはダメだよ二人とも?」


「「ワガママではありません!」」


 二人はそう言ってこちらを向くとなにやら少し申し訳無さそうな顔をしていた、言いにくい事なのだろうか?


「直前まで内緒にしようかと思いましたが仕方ありません」

「実は二人には“けっこんしき”というのを用意してるのです」


「けっ!?」「こんっ!?」


「二人がはねむーんしてる間に博士たちに言われて用意してたんだよ!」


 ななななんだってぇー!?タイムリーだなおい!プロポーズしたばかりだよ?流れで言ってしまっただけなんだけどさ?


「そこでアライグマたちに“うぇでぃんぐケーキ”とかいうのを用意させていたのですが」

「作れないと泣き言を言っているのです」

 

「ありがたいけど!泣き言じゃなくて普通に無茶だよ、どんなのを要求したのさ?」


「「これを」」スッ


 と開いたページを見せられた、そこにはもうまさにウェディングケーキが。

 高さ1メートル… って無理だよ!できるわきゃねーだるぉお!?


「とりあえず普通のは作ったのだ…」


 スッと出されのは普通のショートケーキ、だが素晴らしい!エクセレェント!弟子の成長が素晴らしい!先生嬉しい!


「十分だよ!」

「すごく美味しそうですよ?」


「そういわれると嬉しいけどー?」

「これではうぇでぃんぐケーキじゃないのだ…」


 そうだけど、ウェディングケーキと言い張ればウェディングケーキになるんじゃ?多くは望まないよそんな俺達の為に…。


「でもこれもすごく美味しそうだよ!ねぇかばんちゃん!なんとかならない?」


「う~ん… こんなに大きいとなると…」


「博士助手?気持ちは嬉しいけどあまり無理に作ると完成度が下がるよ?このケーキは百点、それじゃダメなの?」


「ダメですね… ジュルリ」

「百点で満足なのですか?もっと上を目指すのです…ジュルリ」


 HEY長?私利私欲が見えるぜ?自分達がケーキにかぶりつきたいだけなんじゃあないのか?結局二人のワガママなんだからまったく。


 ところでハニーが何かに気付いたようだ。


「あの、これってひとつじゃなくて複数のケーキが重なっているんじゃ?」


「そうだね、じゃあてっぺんをアライさんが作ったそれにして…」


「土台になる大きめのケーキをもう二段ほど作れば…」


 俺達は答えに気付くと一度顔を見合わせ、同時に結論を口にした。


「できるね?」

「できますね?」


 そう、可能なのだ。

 できないなんてことはない、かなり手間だが。


「おぉー?二人はさすがだねぇ?」

「なるほど!とにかくやってみるのだ!」


 実質それくらいしか方法はない、本当はどうやるんだろ?まぁそれはいい、こりゃ大仕事になりそうだ。


「それじゃエプロン頂戴?みんなでパパっとやっちゃおう!」


「二人のうぇでぃんぐケーキなのだ!作り方さえ分かればアライさんたちがやるのだ!二人はゆっくりしてるのだ!」


「気持ちは嬉しいけど、作ってみたいという欲求があるのさ?言い方を変えるよ、お願い手伝わせて?」


「僕からもお願いします!」

「わたしもやってみたーい!」


 アライさんにフェネックちゃん、どうか俺達の為に無理はしないでくれ?困難は群れで分け合おう?長のワガママを聞くのは得意なんだ、ここまで役割を代わってもらったお礼もしたい。


「アライさーん?実際みんなでやらないと間に合わないよー?」


「ぐぬぬぅ!分かったのだ!」


「OK!作戦開始!」

 \おーっ!/


 しかし、自分のウェディングケーキを自分の手で用意することになるとは。

 上等だ、いいじゃないか?作ってやるぞ?この料理の概念が出来て間もないジャパリパークで!


「でも… うまく作れるでしょうか?」


「大丈夫だよ!」


「そうだよ?それに言ったでしょ?俺は君がいればなんだって作れるのさ?」


「それに加えてアライさんもいるのだ!」


「“無敵の布陣”だねー?」


 そういうこと!じゃあ行動開始!



 ウェディングケーキ。


 結婚式や披露宴で新郎新婦が入刀するケーキのことで、今回は割りとイメージされがちな三段のものを作る。


 あとで分かったことだが、アメリカ式では四角で横に広いケーキ、フランスではクロカンブッシュというカスタードクリームを入れた小さなシューを糖衣で貼り付けながら積み上げたお菓子をウェディングケーキとして使うらしい、そして今回のように高く段になってる物はイギリス式だそうだ。

 

 ちなみに入刀後にお互いの口へケーキを運ぶ儀式をファーストバイトと言って、新郎は「自分が働いて食わせていく」新婦は「自分があなたのごはんを用意する」という二重の意味があるとかないとか。


 もっとも俺の場合どちらの意味も俺が担当してるようなものだけど、この役割は譲れんな。

  

 ともあれ巨大ケーキだ。


 卵、小麦粉、牛乳、砂糖… これらを主に大量に使うことになるだろう。


 みんなで混ぜて、焼いて、飾りを付けてイチゴを乗せて… そんな慎重かつ大変な作業だったが、そうして皆で協力した結果無事立派な物が完成したのであった。





「完成!」


「やりましたね!」「わーい!おっきーい!」「くたくたなのだぁ…」「アライさんよくやったよ~?」


 どんなもんだい?これなら文句は言えまい?


「どう二人とも?これなら満足でしょ?」


「おぉ… シロ?お前はさすがなのです!」

「男の中の男なのです!1億点くれてやるのですよ!」


 感動でケーキの前にひざまづく長か… ただし間違えないでくれ?これは俺の手柄ではない、俺達みんなの功績として称えるべきなんだ。


 で、作ったはいいけどどうするの?


「さぁお前たち!休んでる暇はないのです!」

「ケーキをみずべちほーのステージまで運ぶのです!」


「え?ここでやるんじゃないんだ?」


「やるなら盛大にやるのです」

「あそこには都合よくステージに向かう通路があります“ばーじんろーど”とやらに使えるのです」


 盛大だな… てっきりここでこじんまりわるのかと。


 そんなことより移動するなんてケーキ大丈夫なのかな?気合い入れて作っただけに恐怖心5割増しなんだよなぁ。


 なので俺達は慎重に、それはもう慎重に慎重を重ねバスにケーキを運び込んだ。

 そしてそれを数人で支え揺れに備えて出発するのである。


「ラッキーさん、慎重にお願いします」


「任セテ」


「ボス!本当に気を付けてね!」

「これは責任重大なのだ!」

「ボスの運転にすべてかかってるよー?」

「少しでも揺らしたらアウトなのです」

「失敗は許されません、次はないのです」


「マ ママ マ… 任セ 任セテ…」


 可哀想になってきた… 辛く当たることもあったけどごめんねラッキー?娘さんの晴れ舞台のために頑張ってくれ。



 バスが走ること数分。



「つ、着いたのだ…」


「やばそうな瞬間が何度かあったねぇ…」


「でもボスはさすがだね!ちゃんとたどり着いたよ!」


「ラッキーさん、お疲れさまです!」


 うん、よくやったよラッキー?みんなに労ってもらえてよかったね?


「コレカラ ステージ二運ブンダヨ 最後マデ 油断シチャダメダヨ」


 あれ?なんかラッキー怒ってる?「あと勝手にやれや」って感じが伝わるんだけど… 気のせい?あれ?気のせいだよね?


 ごめんて…。


 それから博士の指示のもと無事にケーキをステージ上へ運ぶことに成功、お約束の事態は回避できた。


 これで仕事は終わりだな!


「はぁーやりきったやりきった!みんなお疲れ様!」


「なにを満足しているのですかお前は?」

「これから式の準備ですよ、さっさと正装に着替えて来るのです!」


 あぁ… 結婚式…


 そういえば俺の結婚式だった!

 ケーキ作って満足してたよ!いっけなーい!遅刻遅刻!


「じゃあかばんちゃん、後でね?」


「はい、あの!シロさん!」


「ん?」


 ステージ上、端と端で向かい合い大きめの声で俺を呼び止めた彼女。


「僕!シロさんのこと幸せにしますから!」


 かばんちゃん… 君は本当にどこまでもいい子だね?でも俺なんかいいんだよ?君さえ幸せならそれで。


「もう十分幸せだよー!」


「もっと幸せにしまーす!」


 十分だってもう… でも、ありがとう?また幸せを感じた。


 そんなやり取りをステージ上で交わしお互い笑い合うと、俺は右側へ、かばんちゃんは左側へ楽屋へ向かった。


 少しの間はお色直しでお別れだね?ほんの少し寂しかったりして。


 ところで俺の正装… ってことはまぁタキシードというやつか?それもそうなんだが、かばんちゃんのドレスもどうやって仕入れたのかな?


 なんて疑問もあったが楽屋に着くとタキシード… っぽい服がちゃっかり掛けられていた、白い正装なんて探しだすのに苦労しただろうに。

 あれだろうか?またマーゲイさんが衣装部屋で見つけたとかかな?雰囲気そんな感じじゃあないか。


 それにしてもここ薄暗いなぁ… 電気通ってるんでしょ?はいパチッとの。


 明かりが付きその時俺が目の当たりにしたものは。


「よし…ってえぇ!?」


「アァァァァァァッ!?!?!?」


「わぁ~ぁぁあ!?」


 暗がりの部屋で待ち構えて奇声をあげてくれた子を紹介します、俺の親友…。


「ツチノコちゃん!?なぜここに!?」


「お前入るときはノックくらい…!い、いや… 言わなかったオレも悪いな… あぁ!そういえばお前酒壺でゲロ受けやがったなぁ!?」


「あ、ごめ… いや吐くまで飲むからでしょ!」


 で彼女がここにいる理由だが、どうやら新郎の友人代表として大抜擢されたので顔を見せに来てくれたらしい、今はわざわざご挨拶に来てくれたようだ。


「そういう訳だからさっさとそれに着替えろ?オレはかばんのほうにも顔を出さなきゃならないんだ」


 「ふーん…」とカーテンを閉めて着替え開始、というか友人代表ってスピーチとかするんでしょ?違うの?

 

 という疑問を投げ掛けたところ。


「さぁな?打ち合わせとは言われたがなにをしたらいいかさっぱりわからん、そういうのはかばんの方でサーバルがやるんじゃないか?」


「えぇ!?スピーチしようよ!代表でしょ!」カーテンシャー!


「アァァ~!?ちゃんと着てから開けろ!?そんな格好で迫るんじゃない!」


 シャー

 まことにすいません…。


「でもツチノコちゃんスピーチしてくれないのか~残念だなぁ… ツチノコちゃんに思い出語ってほしかったなぁ~」


「余計なこと言うかもしれんぞ~?例えば遊園地で…」


「それはないね、ツチノコちゃんは墓穴を掘るような発言はしないね」


「チッ! まぁ考えといてやる… ったく柄でもない…」


 代表として来てくれたのだからそこは覚悟してくれツチノコちゃん?俺と彼女の関係は君からのプッシュもあって成立したんだ、簡単でいいから聞かせてほしい。


 それともう1つ。


 シャ…

「あと飲みすぎないようにね?」ジトッ


「わぁ~かってる!“今は”素面だ!さっさと着ろよ!」


 ん?今って?飲むつもりはあるのね…。



 着替えが済むとツチノコちゃんからは「まぁまぁ、似合ってんじゃないか?」とお言葉を頂いた、そのまま彼女はかばんちゃんの方へ足を運ぶので部屋をあとにした。


 それから少し待つと「出番ですよ?」と博士たちが呼びに来てくれたので俺も立ち上がる。


「ほぉ?こうして見るとなかなか様になっているではないですか!」

「馬子にも衣装… というやつですね?」


「よせやい///」



 バージンロードへ向かうと祭壇(の様なところ)で彼女を待つことになった、知らぬ間にフレンズたちで客席もいっぱいだ。


 儀式的な順序として新郎が先に待つもので、後から花嫁が父親に連れられてバージンロードを歩いてくるものらしい。


 だが彼女に父親はいない… 親代わりのラッキーはどうか?でもそれは無理だ、彼が腕時計だからではない、なぜなら彼は今ここにいるのだ。


「ラッキー?そんなとこに張り付けにされてどうしたの?」


「牧師ダヨ」


 てっきり博士達がやるのかと… あなたがやるのですねボス?今日はよろしくお願いします。


「病める時も~ってやつだね?」


「ソウダヨ… シロ カバンノコト 大事ニシテアゲテネ?」


 なんだかんだ、肩入れしてるんだなラッキー?父親らしくさ?


 だから彼の問いにはこう答えた。


「もちろんですお義父さん」


「ラッキービーストダヨ」


 なんだよ照れちゃって… じゃあ父親役は誰になるのかな?


「花嫁の入場でーす!」


 音楽… 「ララララ~♪」と歌声が聞こえるのは二人のトキちゃんが紅茶をがぶ飲みして歌っているからのようだ。

 そしてさっき叫んだのはプリンセスちゃんかな?司会進行はお手のものか… そんなことよりも、この道の先の景色を俺は目に焼き付けた。



 ステージの真ん中に伸びる通路の向こう… バージンロードん二人の女性が歩いてくる。



 片方は姉さんだ、身内として父の役目を引き受けてくれたようだ、にこにこと楽しそうにしているのは満更でもないということだろう。

 

 そしてそんな姉さんに連れられている白い服の彼女…。

 それはウェディングドレスというよりはただの肩だしの白いワンピース、頭には花の冠被っているだけ。


 だがそれでも十二分にドレスだ、目に映るのはウェディングドレスを着た最愛の人… そしてその手にはブーケ。


「反則だろ…」


 なんて言葉が出たのはあんまり綺麗だったからだ、天使だなんだと思いながら彼女を見ていたら、本当に天使みたいな姿で現れたんだから驚いたさ。


 やっぱり彼女は… かばんちゃんは俺の天使じゃないか?


「ほらかばん?シロのとこに行ってやりな?」


「ありがとうございます、えと…お姉ちゃん///」


 俺の隣に来ると照れくさそうに笑う彼女。

 

 二人並んだその時にコソっと「綺麗だよ?」と声をかけると、いつもと変わらないはずなのにその笑顔は特に美しく見えたのをよく覚えている。


 俺と彼女の二人の姿を確認すると、ラッキーの両隣に長の二人が立ち、そのまま牧師としてラッキーが俺達に語りかける。


「コレヨリ コノパークノフレンズ達ヲ証人トシテ 二人ノ結婚式ヲ執リ行ウヨ ミンナ 意義ガナケレバナニモ言ワナイデネ」


「お前たち!二人の結婚に意義はありませんね?」

「あるやつは前にでるのです!」


 もちろん誰もそんなことはしない、おとなしく座っている。


 ラッキーは手順を進め、まずは俺に尋ねた。


「シロ 君ハカバンヲ 健康ナ時モ 病ノ時モ 富メル時モ 貧シイ時モ 良イ時モ 悪イ時モ 愛シ合イ 敬イ 慰メ 助スケテ 変ワルコトナク愛スルコトヲ 誓イマスカ?」


 当然俺は「誓います」 …と迷うことなく答えた。


 続いて彼女の番だ。


「カバン 君ハシロヲ 健康ナ時モ 病ノ時モ 富メル時モ 貧シイ時モ 良イ時モ 悪イ時モ 愛シ合イ 敬イ 慰メ 助スケテ 変ワルコトナク愛スルコトヲ 誓イマスカ?」


 彼女もまた「はい、誓います…」 …と迷いも無く答えてくれた。


 次に俺達二人に対しラッキーは尋ねる。


「シロ カバン 二人ハ自分自身ヲ オ互イニ捧ゲマスカ?」

 

 その時俺と彼女は一度顔を見合わせると少し笑い、二人同時に答えた。


「「はい、捧げます」」


 本来はここで指輪の下りがあるそうだが、残念ながらここでは用意できない、ゴメンね?


「ココデ本来ハ 指輪交換ヲスルケド 無イト思ウカラ 割愛スルヨ」


「いつか必ず用意するよ?それまで待っててくれる?」


「ずーっとでも待てますよ?」


 ありがとう…。


 その意思を確認するとラッキーは最後にこの言葉で締め括る。


 いよいよクライマックスだ。


「ワカッタヨ ソレデジャア二人トモ 誓イノ“キス”ヲシテネ」


 言われて向かい合うとキラキラとした瞳で彼女が俺を見ている、この時俺は「あぁ… オレ結婚するんだ… こんないい子が奥さんになるのか…」なんて実感が胸に込み上げてつい笑みが溢れた、彼女もそれは同じのようだ。


「さぁお前たち、モタモタしないでぶちゅーっといくですよ!」

「さっさと済ませて我々にケーキを食わせるのです」


 はいはい… と長からの催促の言葉に苦笑いしながら彼女を見直した。


「かばんちゃん?これからもどうかよろしくね?」


「はい、よろしくお願いします!」


 その時俺達は少し長めの口付けを交わし… たった数日間の恋人生活は終わりを迎えた。


 そして。


「今この瞬間に!」

「この二人をパークで初となる!」


「「夫婦と認めるのです!」」


 その日俺達は“夫婦”となった。



  父さん母さん… 俺結婚しました。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る