第73話 おおきいちいさい
そのまま姉さんの城に泊まり、翌朝たくさんの属性の女の子に囲まれて起きた俺はこのままでは悶絶だなと思い外で無音のラジオ体操に勤しんだ。
朝早く起きると気持ちがいいね?いや、気持ちがいいってのは変な意味じゃないよ?爽やかな汗をかいたという意味。
姉さんとは一悶着あったものの無事仲直もしたし、一晩城で過ごしとら朝一番に牧場へ向かいます。
せっかく行くんだから乳製品と卵を補充していこう、帰ったらまた二人がケチャップ飲んでるかもしれないし、なにか作れるようにしておかないと。
「じゃあ二人とも、仲良くやるんだよ?」
「うむ、二人でも真っ直ぐ行け!」
なんかおじいちゃんとおばあちゃんみたい… と言うのは口には出さないでおこう。
「そうだかばん?シロは甘えん坊だから寝るときは頭を撫でてやると喜ぶよ?」
「あ!?ちょっと姉さん!なんで!?もう!なんで言うのそれ!?」
「なんだぁシロぉ~?姉ちゃんとの内緒にしてほしかったのかぁ~?めんごめんご~!でもそういうことするとかばんがヤキモチ妬くぞ~?」
「そうだシロ!ツガイの間に隠し事なんてするんじゃない!」
やだ~もう~…///
よし、言われないな!とか思ってたらこれだよ…。
かばんちゃん違うんです、もちろん毎晩じゃなくてね?たまーにあるじゃない?あのときはほら、野生もコントロールできなかったしさ?ちょっとニッチな気分になるときあるじゃない?
言い分けじゃないんだ、言い分けするつもりとかそういうのはなくってぇ。←焦り
「ふふ、知ってますよ?シロさん甘えん坊ですよね?」
「ほら見ろ~!バレてるぞシロ~!」
やったぜ!怒られなかった!ラッキー!
「そぉだぁ… 膝枕も好きだったなシロ?私が修業を付けてやってる時はよく気絶してみんなに膝枕してもらってたなぁ?安心してたじゃないかぁ?」
「マスタァー!?!?!?」
「マスター?(悪くないなぁ…)」
ちょっと!えー!?普通言いますかねぇそれ?師匠俺すごいあせってますよ?
「それは知らないです…」ジト
「いや不可抗力だよ!気絶してたもの!でしょ?」
「…」ムスッ
あーん… 怒っちゃらめぇ…。
知らないのは当然さ?知ってほしくないことの1つや2つあるさ?人間だもの!フレンズでもある!
「私もしてやったんだ!覚えてるだろシロ?」
「あぁもう!その節はどうもありがとう!」
その後、もうかばんちゃんの膝枕しかしてもらわないことを約束することで事なきを得た。
え?誰の膝が一番寝心地がよかったって?うーん… みんな違ってみんな良かったよ!
…
師匠と姉さんには丁寧にお礼を言ってその場で別れた、一番言われそうな場所で赤ちゃんの話がでなかったのは少々意外ではあったけど、あまり赤ちゃんの話をされるとこちらも気が急いてしまう、失敗したくないんだよ俺は。
はいはい、何度も襲っといて説得力はないでしょうけどね?
というわけで現在は牧場に向けてバスが走っている。
「ねぇシロちゃん!ぼくじょーってなぁに?」
「牛乳と卵が手に入る素敵施設だよ」
「それじゃあ、シロちゃんの料理でつかう食材はぼくじょーからも持ってきてたんだね!」
「ケーキもオムライスも牧場が無かったら食べられなかったんだよ?感謝しましょうね?」
「わーい!ぼくじょーありがとー!」
卵、そして無敵の乳製品の数々…。
これらが手に入ることでどれだけ料理の幅が広がったことか。
あ、フリシアンさんにはお菓子を持ってく話をしてたような?まぁ仕方ない、どうせこれからもお世話になるだろうからその時でいいか。
「シロさん?その… フリシアンさん?でしたっけ?どんなフレンズさんなんですか?」
「会ったことなかった?パーティーにも来てたよ?ほら、白黒でおっとりした感じの…」
「う~んと…あ!あの、お胸の大きい…」
「や、えーっと… うん」
「はい…」
え~っとぉ、これは俺が悪いの?よくわからんけどごめんね?
しかし胸のことを話題にあげる度に気まずくなるって今後やばい気がするんだが?
やはりあれだろうか?かばんちゃんの胸でも十分に性的興奮を感じ、十二分に満足できるということを証明するしかないんだろうか?お安いごさ…ジュルリ。
じー…。←凝視
「あの… シロさん?」
「覚えておいてかばんちゃん?大きい胸に目がいくのはヒトのオスの性、でも心は常に君に釘付けなんだ、結局好きな子の胸が大きさ問わずに一番好きなんだよ?わかってくれる?」
「わかりましたからぁ!あんまりジッと眺めないでくださぁい!///」
顔を真っ赤にすると腕をクロスして胸を隠してしまった、まったく仕草がいちいち可愛い、みなぎってくるぜ。
あぁーッ!コノコスキ!
ホワイトはどう思う?
ん~ホワイトもそう思います。
…
という俺の脳内の茶番はいいのだが、そんなことをしているうちにバスは牧場に到着した。
そして中に入ると早速ミルクを揺らしながらフリシアンさんが出迎えてくれた
「あらシロさん!ようこそいらっしゃいました!お二人は初めてですね?気軽にフリシアンとお呼びください!」
「サーバルだよ!」
「か、かばんです!(動く度に揺れてる…)」
「おはようフリシアンさん?今日は大事なご報告をしにきたんだよ?」
「お話ですか?ではどうぞゆっくりしていってください!今絞りたてのミルクをご用意しますね?」
そういうと俺達はカフェブースのようなところに案内され、フリシアンさんはユサユサと一旦その場を離れた。
「はぁ…」ペタペタ
「かばんちゃん?また心が痛いの?大丈夫?」
「サーバルちゃん、胸はどうしたら大きくなると思う?」
「う~んおっぱいかぁ… わかんないや!ボスなら知ってるかもよ?」
かばんちゃん… どうか自信を無くさないでほしい。
俺が一番触りたい胸は君の胸なんだ!大きさは関係ない!←ゲス
するとラッキー、大事な娘の悩みに答えるべくポンコツのことを言い始める。
「カバン 胸ノ大キサハ人ソレゾレダヨ デモ 性的魅力ノ話ヲスルト 一般的ニハ大キイ方ガ有利ダネ」
おいこらなんの話してるそこ、彼女の希望を打ち砕くのはやめろ!俺は慎ましくても彼女の胸で満足なんだ!←ゲスゲス
「あのかばんちゃん?そんなに気にする事は…」
「バストアップ体操ヲシテミルトイイヨ」
「「バストアップたいそー?」」
マジで腕時計ちょっといい加減にしろよ、なにぶっこんできてんだよ?てかありがとうございます。
するとその時ラッキーがなにかの映像を写し出した。
その映像に映るのは今よりもっと綺麗なここジャパリ牧場で、かの有名なあの人が映し出されいたのだ。
「あ!かばんちゃん!ミライさんだよ!」
「ミライさんもここに来たんだね?」
黄緑の髪の女性、ミライさん。
彼女はこの時なぜこの場所に来たのだろうか?まさか異変に関すること?
しかしあのゆっくりとしと動きとロングブレスはなんだ?
“『スー… ハー…』
『ミライさーん!何そのポーズ?』
『バストアップ体操ですよ?私もホルスタインさんのような豊満なバストを目指します!』”
マジか、この人牧場まで来てなにやってんだよ仕事しろよ。
そして奇しくもかばんちゃんと同じ発想に至ったのはなんの因果なんだよ?マジなんなんだよあなた。
「あ、サーバルちゃんもいるよ?」
「それに見て見て?バストアップたいそー?っていうやつミライさんが教えてくれるみたいだよ?」
え?ミライズブートキャンプみたいな映像ってことなの?なぜラッキーの中にバストアップ体操がプログラミングされてるんですかね?ふざけてますよね?
しかも映像のなかでは旧サーバルちゃんとミライさんがわちゃわちゃ会話文するだけでなかなか本番に入らない。
“『わたしもやってみたーい!』
『いいですよ~?あ!知ってますか?胸は人に揉まれると大きくなるんですよ?』
『そーなの?なんで?』
『原理はよくわかりませんが昔からそう言われているんです!さぁサーバルさん!揉ませてください!』
『きゃー!?カラカル助けてー!?』
『ウフフ… ハッ!?こ、ここは牧場でーす!ミルクだけでなく美味しいお菓子も…』”プツン
え?切れた?なんだったの今の?
まさか… また始まるんだろ?
「「…」」
おいおいなんだ今の茶番は!?
体操しないまま終わったし!最後顔やばかったし!もしかしてミライさんって変態なんだろうか?聞いたことがある、動物が好きすぎるという噂は本当だったのか?
俺が抱いていた真面目で優しいイメージを返せ!
しかしその発言の数々を知識として吸収したかばんちゃん、希望に満ち溢れた目に生り始める。
「人に揉まれると… 大きくなる…?」
「じゃあおっぱいの大きい子はいろんな子に揉まれてるってこと?」
なに言ってんだやめてろよミンミさん?
「いや、サーバルちゃんそれは違うよ?さすがにそれは違うからね?」
おい腕時計、この空気どうしてくれるんだ?なんとも言えない空気になってしまったじゃないか、まずなんであれ見せた?
そしてかばんちゃん超真に受けてるんだぞ?もしかすっと俺が揉めばいいのかい?お安いご用だ、さぁ奥の部屋に行こう
「よーっし!かばんちゃん!わたしが揉んであげるよ!」
「え!?」
なにぃ!?俺じゃダメなのかー!?←駄目
「だってかばんちゃん!大きくするには揉んでもらうしかないんでしょ?大丈夫だよ!わたしに任せて!」
ほらーこうなると思いましたよ俺は~?
ダメだよラッキー変なこと教えたら?サーバルちゃんは好奇心旺盛なんだからこの状況なら揉みにいくに決まってるじゃないかー?いやー仕方ないなー?これは止められないやー?わーいやーらしー!←止める気なし
「ちょっと待ってサーバルちゃん!そういうことはあんまりその…!?」
「よーっし!いくよー!」
「ま、待ってぇ~!?///」
「うみゃみゃみゃみゃみゃー!」モミモミ
サーバルの無呼吸乳連打がかばんちゃんを襲う。
「ん… さ、サーバルちゃ…!?ちょっ…とぉ!?」
これ、思ったよりもやばいんじゃ?なんだかドキドキしてきたよ、かばんちゃんからこんな艶やかな声を聞くことができるとはラッキーだ。←おい
「シロさ… み、見ないでくださ…い」ビクビク
恍惚とした表情とピクンと何度も跳ねる肩、俺は今そんな意外な一面をただじっと眺めていた…。
イヤダメだろ!
「あ、ごめん!?い、いや!サーバルちゃんストップ!もうやめて!ダメだよ!なんかもう… ダメだ!ズルい!いやダメだよ!」
俺はサーバルちゃんを羽交い締めにしてかばんちゃんを解放した。
「うみゃー!?なんでなんで!?」バタバタ
バタバタと暴れながらも尚乳揉みを諦めないサーバルちゃん、しかしこれ以上君にハニーを目覚めさせる訳にはいかないのだ。
「はぁ…はぁ… ありがとうございましゅ…」クタクタ
「これ禁止!」
「えぇー!もしかしてシロちゃんも揉みたいの?」
おいおいなんてこと聞きやがる?はい、揉みたいですね…。
「そ、それは…」
「そっか!シロちゃんのほうが上手そうだし!かばんちゃんもその方がいいかな?」
スゲーやってみたいけどそれはダメだよ!ダメだけどスゲーやってみたいよ!
「あの… 今じゃないとダメですか?」
え、いいの?
別のタイミングなら許されるってことなの?じゃあ我慢できるよ俺も、やはり今夜は寝かせられないな。
そんな時、ミルクさんが取れ立てミルクと共に戻ってきた、お盆のミルク達がミルクに押されて落ちてしまいそうだ。
「ミルクを持ってきましたよ~?なんだか皆さん楽しそうですね?」タユンタユン
「あ… はい」
かばんちゃん… そんな悲しい現実を突き付けられた表情をしないでくれ、俺まで悲しくなるじゃないか?大丈夫だよまだ発展途上なんだ!
…
ということがあったのだけど、ちゃんとミルキーオブモーモーさんには俺とかばんちゃんが胸にも負けないただならぬ関係だと伝えることができた、これにはかばんちゃんもご満悦だったが、今後彼女はこの胸囲の格差に悲しみ続けるのかと思うとやはり俺が毎日揉みしだいて少しでもその格差を埋める必要があると切実に感じました。
「素敵ですね!お二人ともとってもお似合いですよ!」ニコニコ
「ありがとうフリシアンさん」
「ありがとうございます!」
祝杯にミルクで乾杯だ。
ここ数日で水とジャパリマンくらいしか食べてないからなんか美味しい、新鮮だ。
かばんちゃんも照れ笑いを浮かべて楽しそうにしてるじゃないか?フリシアンさんおっとりしてるから、対応が誰にでも柔らかいもんね?その胸と同じだ!触ったことないけど!
「ねぇフリシアン!どうしたらそんなにバインバインになれるの?」
「生まれつきなのでどうしたらと言われても… やっぱりミルクを毎日飲むことでしょうか?」
ガタッ!
「おかわりを頂いてもいいですか?」
「かばんちゃん、飲みすぎるとお腹を壊す… 落ち着こう…」
「ごめんなさいすぐには… そうだ!私が直接…!」
「フリシアンさん、ここはそういうお店じゃない… 落ち着こう…」
ホントに落ち着け。
女の子って大変だね?そんな俺も度重なるみんなのいけない発言や行動のせいで席を立つことができない、いやすでに立っていると言うのが正しい状況だ… 何を言ってるのかわからないだろうがそういう矛盾した状態なのが今の俺だ。
男の子も大変だね?
「シロちゃんそろそろ行こうよ!博士たち待ってるよ?」
「はい、卵もミルクも用意しておきましたよ?」
「シロさん?どうして立たないんですか?」
「すでに立って… いや30秒頂戴?いいかな?」
「「「…?」」」
前にもこんなことがあったがフリシアンさんは不自然に感じないんだろうか?そろそろ感付かれる気がするよ、でもほぼフリシアンさんのせいなんだよなぁ。←ゲス
「ここに来たときはたまーにそうなりますね?どうかしたんですか?やっぱり体調が悪いとか?」
「すこぶる良好だよ、あえて言うなら元気なのが悪い」
「えぇー!どういうことなの!教えてよ!」
「あ…」察し
どうやら勘のいいハニーにはわかったようだ… 御手数かけます、こんな最低な俺を許してね?血は止められないからね、今と朝だけは許してね…?
「おさまったら… 教えてください…」
「ごめんね…」
情けねぇ… 情けねぇよ俺!彼女にこんな気を使わせるなんて!
「いえあの… 僕、頑張りますね?」
なにぃ!?婚約OKのサイン!?←×
「一分延長でお願いします」
「え、えぇ~!?なんでなんで!?」
あぁーッ!コノコスゥーキ!
…
クールダウンの済んだ俺は乳製品をバスに積み込み牧場をあとにした。
図書館に行くには、この道を真っ直ぐだ。
二人はどうしているだろう?まさかとは思うが、またケチャップだらけで倒れていることもありうる
もしくはアライさんが残って料理を続けているかもしれない、ただし彼女はうどん以外はまともな物を作れない、うどんの茹で具合は完璧なのに米を炊くとなぜか失敗するんだ。
俺のダウン中はずっとアライさんがうどんを作っていたが、そのあともアライさん頼みだとしたら…?
そろそろ飽きてる頃だな。
「かばんちゃん?前にも三人で図書館に帰ったときのこと覚えてる?」
「あ、はい!オオカミさんたちもちょうど来てましたね?あの時は博士さんたちが倒れてるからビックリしました」
そう、ケチャップ事件だ。
あの時と同様である可能性が非常に考えられる。
「うん… それで多分、今回も似たようなことになってると思うんだよね?だから着いたらすぐに料理することになるかもしれない」
「はい!お手伝いしますよ?」
「ありがとう!」
一緒に料理することは何度かあったけど、この関係になってからこれが初めての共同作業というのになるのかな?細かいことは抜きにしてとりあえずこれが初めてのはずだ。
「シロさん?」
「なに?」
「共同作業… ですね?えへへ…///」
あぁーッ!以下略。
僕らはいつも以心伝心… 幸せだなぁ。
よし今夜は夜の共同作ぎょ…ゲフンゲフン。
…
一方、図書館では。
「くっ!やめるのです!それを下げるのです!」
「いい加減にするのですよ!しばらく御免なのです!」
「なぜなのだ!なにがいけないのだ!」
「聞き分けがないとー?威厳がないよー?」
長たちとアラフェネは押し問答を繰り返していた。
それもそのはずである、なぜならシロの予想通りの状態だったからだ。
「「うどんは飽きたのですよぉーっ!?」」
「美味しいのだ!飽きるはずないのだ!」
「贅沢だねー?味はいろいろ変えてるはずだよー?」
「あれからずっとうどんです!うどん!うどん!うどん!お前の頭は小麦粉でもつまっているのですか!?」
「シロに何を習っていたのですか!他にも作れるはずですよ?」
「ぐぬぬぅ~…!アライさんうどんが得意なのだ!」
「お米は失敗するともったいないしー?仕方ないねぇ?いいから食べてみなよー?」
長たちは参っていた、このままでは体のサンドスターが根こそぎうどんと入れ替わってしまうと。
「シロぉー!?」「早く来てくれなのでぇーす!?」
その悲痛の叫びは、真っ青な空に吸い込まれていった…。
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