番外編② 三角関係性《トライヴァル》

【「僕たち、ずっと友達だよね……?」】


 ——あの日、僕たち3人で交わした約束


【「当たり前だろ、たくみ」】


 ——その約束は、ある日突然


【「ゆうくん、たっくん、これからもずーっと一緒にいようね!」】


 ——音もなく崩れ去った


 ♢ ♢ ♢ ♢ ♢


「たくみ、俺たちはもう友達なんかじゃない……」


「どうして!? どうしてなの、ゆうくん!!」


 僕たちはずっと……


「友達だって約束したじゃないか……!!」


 ゆうくんはその日をさかいに、僕たちの目の前から姿を消した。


「あかりちゃん、ゆうくんは何処に行っちゃったの!?」


「ゆうくんの気持ち、私も少しわかるな……」


そんな……あかりちゃんまで……


 ——引き裂かれる友情


「たっくん、お友達ごっこ・・・はもう辞めにしましょ?」


「ごっこって……僕は本気で……」


 ——ずっと友達だと思っていた。


 でも、そう思っていたのは僕だけだったのかもしれない……


 ♢ ♢ ♢ ♢ ♢


 ——止まらない時間


「探したぜ……あんた、陽光町で最強の秘宝使いなんだろ……?」


「だとしたら、なんなのです……?」


「俺をあんたの弟子にしてくれ! どうしても負けられない奴がいるんだ!!」


「ふぁ……ぅ……断るのです。ワタシは子供の相手をしてるほど、暇じゃないのです」


「なっ……!? 今さっきまで寝てたじゃないかっ! 公園の砂場で!!」


「ふぁぅ……zzz……」


 ♢ ♢ ♢ ♢ ♢


 ——それぞれの想い


「ゆうくんの言うとおりね。いつまでも、ただの友達じゃいられない……」


 けど……


「あかりには、どちらか1人だけなんて、選べないよ……」


 ♢ ♢ ♢ ♢ ♢


 ——狂い始めた歯車


「ユニコーン……僕、どうしたらいいのかわからないよ……」


「クォーン……」


 ライトユニコーンの角が、輝きを失っていく……


「たくみ、ご飯できたよ!」


「いらない……」


「そっか……1人で抱え込まないでね。ねぇねはいつも、拓海の味方だからね」


「……うん」


 ♢ ♢ ♢ ♢ ♢


 ——そして運命は、再び交錯する


「そんな……悪の秘宝使いの正体が、ゆうくんだったなんて……」


「…………」


「どうしてなの!? ゆうくん!!」


「そこから先はあかりが話すわ」


「あかり!?」


「あかりちゃん!?」


「「どうしてここに!?」」


 ♢ ♢ ♢ ♢ ♢


 ——明かされる真実


「……だから、こうでもしないと、全力のお前と戦えないと思ってさ……」


「ゆうくん……」


「さぁ、馴れ合いは無しだ! 全力で掛かってこい!」


 ゆうくんの眼は本気だ。僕も本気で戦わなきゃだめだ!


解放リベレイト! ライトユニコーン!」


「初手からAランク秘宝か……ったくマジで容赦ねぇな…………最っ高だぜ!」


 ——そう、僕たちは、ただの友達じゃない


「「「ライバルだ!!!」」」


 ♢ ♢ ♢ ♢ ♢


「……っという感じの演劇をやろうと思うんですけど、どうですか?」


「まさかの冗談ジョークネタ!?」


 パレットはおとなしい少年に、鋭いツッコミを入れた。


「今なら来場者特典で、ダークバイコーンの引換券が貰えるぜ」


「本当にありそうだから辞めなさい!」


 パレットは元気な少年にも、鋭いツッコミを入れた。


「あかりはうさぎの秘宝獣がいいな~。ね、リリィちゃん?」


「カワイイアカリチャンにピッタリダネ!」


おませな女の子は、腕に抱いた白いうさぎのぬいぐるみを動かしながら言った。


「はぁ……」


(ツッコミ役がいなくて大丈夫なのかしら、この3人……)


 パレットの日常は、いつも子供たちの賑やかな声に包まれているようだ。

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