第4話
魔王を倒すとすぐに第2の魔王が誕生したので倒しに行くことになった。
「で、どこいけばいいの? 中央公民館とか?」
「あ、勇者様。今後は地区の事は村、建物は城と呼んでください。」
「そんなめんどくせぇルールまで作ったのかよ。それやる暇あったら天使っぽい化粧頑張れただろ。」
「そんな事を言うな勇者様。ユカリエルも化粧水をジャパジャパ使って頑張っているんだ。」
「うわ、ヒデキでてきた。」
「やっぱ呼ぶことにしました。」
「やっぱ着いて行くことにしました。」
どこかしらのタイミングでまとめて置いて行こうかなコイツら。
「お前戦えんの? 大丈夫かその格好。ストレッチパワーしかでねーだろそれ。」
「闇の炎ですったら。」
「キシャー!」
この場でセメントに沈めてやろうかなコイツら。
テロレロリン……テロレロリン……
「あ、ちょっと待ってくださいね、勇者様。」
「何やってんのユカリエル。」
「うん……うん、ああはいはい。うんうん、オッケーはーい。じゃねーまたーはーい。」
「何やってたの。」
「神からのお告げを受け取りました。」
「いやおめーが受け取ったのは神のお告げじゃなくてドコモの電波だよ。普通に父さんから電話あっただけじゃねーか。」
「お告げです。次に行くべき場所を教えてもらいました。」
「うそだろーお前これまだ続くのかよ。本格的に冒険始まるのかよ。このコスプレ大会に本格さとかいらねーんだよ。ちょろちょろっと村巡りましたーみたいなことにしとけばいいんだよ。」
「第2の魔王を倒すには世界中に散らばった30個の伝説の宝玉を集めなければならないそうですよ。」
「多すぎるだろ!普通こう言うの5つとか7つとかだろ!30個って!どれだけ長々とこのおふざけ続ける気なんだババア!」
「大丈夫、勇者様。俺たちならどんな困難も障害も乗り越えて行けるさ。」
「精神的には既にてめーがだいぶ障害だよ。あーもうマジでやんのかよコレ!」
「とにかく出発しましょう勇者様!」
こうして俺たちは伝説の宝玉を集めるために最初の村に向かうのだった。
まぁ村といっても歩いて20分くらいのところにある道の駅みたいなところだ。村っぽくするのにちょうどいいらしい。ユカリエルがそう言っていた。もうこいつは設定を守りたいのか崩したいのかわからない。
「到着です勇者様! ここが最初の村、龍玉村です!」
「ここに最初の宝玉があるんですかね……勇者様、俺緊張してきました。」
村に入ると1人の少女が話しかけてきた。
「あ、あのっ! もしかして、魔王を倒すために立ち上がった勇者様ですか⁉︎」
「え、ああまぁそうだけど。」
「やっぱり!会えて嬉しいです!」
「ああ、ありがとう。」
話を聞くと、少女も魔王を倒す研究をしているらしい。冒険の旅に出る事はできないが、何か手伝いたいのだと言う。
彼女はこの村で最強の戦士達を集めてきてくれた。
1人は僧侶、1人は武闘家、1人は遊び人である。
「えっとすいません、とりあえず名前から教えてもらえますか? 」
「私は僧侶の栗岡霖道。こいつは武闘家の後藤白浦。そして遊び人の安部寺板だ。」
「めっちゃ渋い名前だらけだ……これは頼りになりそうだな、勇者様。」
「そうだな……えっと、なんてお呼びしたら……」
「私は名字と名前の最初を取ってクリリンと。」
「オラは最初と真ん中を取ってゴクウだ!」
「俺がアベジイタ様だ!」
「てめぇらあぁ!!多少凝ってるなと思ったらこれだよ!正直遊び人の名前なんか違和感だなと思ったよ!龍玉村ってこれそういうことじゃねえかバカヤロー!!」
「はいこれ、私が完成させた宝玉レーダーよ。」
「ブルマコラァ!早速神の仕事奪ってんじゃねーぞ! ほんでよく見たらこの村に既に17個もあるじゃねーか!」
「あら? ゴクウさん一個持ってらっしゃるじゃないの。」
「これはじいちゃんの形見だかんなぁ、だめだぞぉ!」
「やめろてめーら!それ多分4つ目だろ!もういいんだよ雑なパロディは!あとアベジイタ遊び人てファンに怒られるぞ!!」
自由すぎる。コスプレ大会ってそういうもんか?
「とりあえずこの16個がある場所に行こうか……」
宝玉レーダーによると村長の家にあるようだった。
「村長の家はここでいいのかユカリエル。」
「まちげぇねぇ……つぇえ奴の気配がビリビリしてやがる……」
「ゴクウ、ちょっと静かにしててくれ。」
「とりあえず入りましょうか。」
ガチャリ
「いらっしゃいませ。私が村長、いや全村民の帝王、フリーザです。」
白塗りの村長が立っていた。
「お前もう隠す気もねえじゃねぇか!」
「こっ、ここからが本当の地獄だ……」
「やめろアベジイタ! もうツッコミに関しては地獄の限界突破だよ! エンマのおっちゃんぶっ倒れるよ!」
「死ねぇ!クリリン!」
「ゴクウー!」
ドカーン!!
「クリリンがあぁ!おいやべーぞこれ!」
「オレは怒ったぞー! フリーザァ!」
バキャア!
「やめろてめーらあぁ!!!!各々キャラ全開にしてんじゃねえぇ!!!!」
こうして俺たちはフリーザとクリリンをあの世へ見送り、ゴクウを説得し、17個の宝玉を手に入れた。
正直後半は意味がわからなかった。
「なぁんかあったら瞬間移動ですぐ助けてやっからな! 魔王とかっちゅうわりぃ奴はおめぇにまかせっぞ!たかし!」
「ああ……ありがとう……それじゃ……」
めちゃくちゃ疲れた。
宝玉は残り13個。冒険は続く。
異世界転生 (低品質) タルト生地 @wwdxrainmaker
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
フォローしてこの作品の続きを読もう
ユーザー登録すれば作品や作者をフォローして、更新や新作情報を受け取れます。異世界転生 (低品質)の最新話を見逃さないよう今すぐカクヨムにユーザー登録しましょう。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます