第2話 久光豊の過去

ヒカルシステムを開発した奇才久光豊の父はロシア人だった。

冷戦時代ソビエト連邦の外交官として来日した彼は、その後ロシア語教師として日本に残り、久光友紀と結婚、帰化して久光佑と名乗った。

その夫婦のひと粒が豊だった。

久光佑のもう一つの顔は、コンピュータ技術者、当時普及し始めた、パソコン通信から、インターネットを使い、ソビエト連邦政府に日本の情報を発信していたスパイだったのではないかと言われている。

豊が中学3年生の冬、交通事故で夫婦は、死亡する。

後に、小説化された作品では、これはソビエト連邦政府が送り込んだスパイに殺された事になているが、詳細は不明、警察は事故で処理した。

豊は、芦屋で産婦人科病院を経営している、叔母の元に引き取られた。

彼の世話は、住み込みの家政婦北川咲子がやってくれた。

産婦人科医として多忙な叔母と食事をするのは、滅多になかった。

叔母の医院では、当時珍しかった不妊治療が盛んだった。

子どものできない、芦屋の金持ち夫婦から、大金をもらって、治療を行ない。

叔母の医院はかなり潤っていた。

産科部門は、優秀な産科医と助産師を雇い、叔母は不妊治療メインに治療を行っていた。

夫の精子を預かり、体外受精を行う事が多くあったが、夫の精子に問題があり、それを、プライドの高い夫に言えず、それがストレスとなって、妊娠できない。

負のスパイラルに入る患者に、成功率ばかりを追いかけていた叔母は、医者として倫理観を失いかけていた。

叔母が豊の特殊な力に気づいたのは、亡くなった豊の母が叔母に当てた手紙からだった。

夫を巡る、不穏んな動きに気付いていた久光友紀は、自分が豊を育てられない事になった事を予想て、手紙を書いていた。

彼女の遺品から、その手紙を見つけて読んだ時、これはいけると思ったそうです。

「医者として解明して欲しい、豊の不思議な力について書きます。ゆが小3の時、私は、ふとした拍子に手を繋いだのです。すると豊が、ママのおっぱいに何かできてるよと言い出したのです。最初は信じなかったのですが、何度も言うので、乳腺内科を受診しました。診察結果は乳がん、ステージ4、余命僅かと診察されました。

私は、豊にその事を告げました。すると、教会学校で習ったお祈りをする、神様にお祈りすと言い出したのです。神様、僕のママは病気です。僕はこれからいい子で、毎日お祈りをします。どうか神様、僕のママを助けて下さい。豊が祈ると胸に光が差し、その後検査でガンは見つかりませんでした。

それから、私は豊の不思議な力を密かに試してみようとした時、夫が言いました。

豊の力に気付いのですね。彼は手を繋いだ人の、体調をわかってしまう力があります。どんな難病も祈りによって、聖霊の力が働き治すことができます。

ただ、彼が愛した女性に限られます。私にもその力があります。

私はびっくりしました。

由美ちゃんも、豊と日々握手をして、彼に愛される事をお勧めします。」

しかし、叔母久光由美が、産婦人科医として、彼の力を悪用し、巨額の利益を得てしまった事は、医者としは、いけない事であったが、国益という面では、良かったのかも知れない。

産婦人科医久光由美のとった仰天の行為は、次回の講釈で

ほな


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