第五話「殺戮の世界」
いくつもの世界を渡り続け、この世界に入った瞬間にしまった、と思った。どんな世界に行けるかはランダムなので仕方がないことだが、中でもトップクラスに危険な世界に入ってしまった。空は不気味な色で染まっており、地面や建物はところどころ血で染まっている。殺気を感じて振り返ると、数人の男が突っ込んできたので、まずは一人目の腹を切り裂き、返す刀で二人目も縦に分ける。三人目は拳銃で心臓と頭を射抜く。
「そうだ、リモはっ」
リモの方を見ると、腰のナイフを使って襲い掛かってくる奴らを切り裂いていた。やはり銃弾なども全て弾いている。
「おい、このまま戦ってもキリがない!とっとと逃げるぞ!」
とリモに言うと、一瞬こちらに殺意を向けたが大人しくついてくる。(最初に会った時とは違うな…)と思いつつ、俺たちは追ってくる気配を撒いて建物に隠れることにした。
だいぶ逃げ回ったせいで、この世界から出るには時間がかかりそうだ。
リモと色々話し合った結果、俺が囮になって敵を引き付け、リモが陰から数を減らすという作戦にした。
「なぁリモ、いつもの元気な感じはどこへ…おわっ」
「うるさい…斬るぞ」
さーせんでした…もう言いません…
「じゃあ行くぞ、目標は北西だ…Go!」
言い、建物から飛び出す。
すぐに殺意マシマシの住民が追いかけてくる。それを刀でいなしつつ、隙があれば数を減らして走っていく。
リモもちゃんとついてきてるようで、死角からナイフで倒していっている。
その時、衝撃と共に、辺り一帯が吹き飛んだ。
「 は ? ? あ? うおおおおおおおおおお!!???」
中に投げ出され、思考が一瞬止まったがなんとか空中で体制を整え着地する。
見ると、肩にミサイルを担ぎ両手でミニガンを持ったでっかいのがいた。
「………ッ!」
一瞬思考が止まったが、まともにやりあって勝てる武器ではないので舞い上がった土煙に紛れて身を隠す。そこでリモと合流し、作戦を練る。…特に思いつかなかったのでリモが攪乱、その隙に俺が相手の武器を破壊する、ということにした。
*
まずは、あのやっかいなミニガンから片づける。意識を集中し、ミニガンの銃口に狙いを定める。そして、照準があった瞬間引き金を引く…!
ミニガンが弾詰まりを起こし、銃身が破裂する。そいつは一瞬驚くがこちらに気づき、ミサイルを撃ってきた。
(クソッ、ミサイルなんて反則だろ…!)と思いつつよけるが、爆風で吹き飛ばされる。バランスを崩した隙に、ミサイルがこちらに飛んできた。だが、それをそのままそっくり相手に蹴り返す。
「よしっ、リモ行くぞっ」
言いつつ、ミサイル先に蹴っときゃよかっtいやミニガンでやられるじゃねえか馬鹿かよ…などと考えてこの世界を脱出した。
*
「…こいつになら…」
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