第四話「静かな森の世界~リタのログハウス~」

「おはよーっす」

「おねえさんの手にピンポン玉があるだろ?これに念じると…カップの中に移動する!」

「ほんとだ!!すごーいどうやってやったの!?」

 なんか手品やってた。しかもめちゃくちゃ上手いな。リタのやつどこで覚えたんだ?

「お前らいつの間にか仲良くなってんのな」

「ああ、これはこの前手品の世界に行ってきたときに学んだんだ。上手だろう?」

「クロア、リタのてじな?もっとみたいからじゃましないで」

 当然のように心を読むな!あとリモ俺の扱いひどくないか?というか二人とも俺の言葉は一切聞いてないのかよ…

 おとなしくリタの手品が終わるまで待ってから、リタにあのことについて尋ねる。

「俺の探しているような世界の情報は見つかったか?」

 俺は、とある世界を探している。それは人間たちがみな幸せに普通の生活を送る、そんな世界だ。俺はそんな夢のような世界を探しているのだ。

「そんな世界そうそう見つかる訳がないだろう?とはいえ、長い付き合いだし結構真面目に探してる。今回は成果0じゃないんだ。“始まりと記録の世界”って知っているかい?」

 リタが言うには、この世界の始まりと、世界の全ての情報がある世界というものがそんざいするらしい。

「なら、その世界を探しに行くか…。悪い、世話になったな。また行ってくるわ」

「もう行くのかい?君はせっかちだなぁ。だがそれを見越してもう出かける準備はしておいたぞ?おねーさんに感謝するんだな」

「わたしもいく!」

「お前は残ってろよ。危険もたくさんあるし、そもそもお前は…

「それもお見通しなおねえさんは既にリモ君の荷物も準備してあるぞ」

 ほら、とリタが鞄を取り出す。もうこれ諦めるしかないな…。それに最初に見つけたときは思いっきり戦ってたし大丈夫だろうん。

「いってくるがいい、クロア。君が肩を落として帰ってくるのを期待しているよ」

 どんな期待の仕方だよ。

「じゃあいってくるわ、ありがとなー」

「いってきます!またあおうね!」

 こうして俺たちは始まりと記録の世界を探す旅に出た。

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