第二話「白夜の世界」

「おい、とりあえずお互い自己紹介しとこうぜ」

「(どくしゃにもそろそろせつめいしないとだよね)」

「お前どこ向いて誰に何喋ってんだ…?まぁいいや…。俺の名前はクロア。よろしくな。てかお前ほんとについてくんのか」

「むー、ついていったっていいじゃん!あ、わたしのなまえはリモだよ!これからよろしくね。でもここってふしぎだよね~。あるいてたらいろんなせかいにいけるんだよ~!なんでだろ?」

「それはだな…」

 この世界は無数の世界が連結されてできている。世界の端までいけば別の世界に行けるが、どの世界に行けるかはランダムだ。そして、特定の世界に渡航できる特殊な鉱石のようなもの(フェルニム)もある。それらをリモに教えたが

「へぇ…よくわかんないんだね…?」

 知恵熱出てた。いやそこまで難しい話してない気がするんだが?この世界では常識だぞ?

「なあ、そういえばお前のその腰のやつ…」

 リモの腰のナイフを刺しながら尋ねる。

「…?」

「だからその腰のナイフ…!?」

 殺気を感じて後ずさると、リモがナイフに手を当てながら虚ろな目でこう言った。

「それ以上踏み込むと…斬るよ…?」

「…ッ」

 思わず身構えたがリモはフッと殺気を消した。そしてキョトンとした顔で「どしたの?はやくいこ?」と歩き出した。まったく素性がつかめそうもないな…

「あ、そうだ。今から知り合いのとこ行くぞ。装備とか食料とかいろいろ調達しないといけねえし」

「しりあいって?どんなひと?」

「まあ変わった奴だが悪い奴じゃないぞ。変わった奴って言ったら怒られそうだけど」

 そういいながらリュックから不思議な色の鉱石のようなもの、フェルニムを取り出す。

「なぁにそれぇ?」

 リモが不思議そうに聞くが

「お前さっきの説明聞いt…あー、あれだ、行きたいとこに行けるやつ的な?いいから行くぞ」

 リモは目をキラキラさせながら見てくるが、やめろ…そんな目で見るんじゃない…なんかむず痒いだろ…

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