繋がる世界と不思議な少女

@arikasi_tia

「繋がる世界」

第一話「荒れ果てた都市の世界」

 一人の少女が戦っていた。正確に言えば多くの人間を切り裂いていた。両手に持った2本のナイフで次々と殺していく。それを俺は物陰に隠れて様子をうかがっていた。

「とんでもない速度だな…」

 人間とは思えない速度で斬り刻む。周りにいる人間には銃を持っているやつもいたが、銃弾はことごとくナイフで弾かれていた。

 だが、周囲の人間をすべて斬り裂いた後にフッと力が抜けたように倒れ、同時に殺気が消える。そしてそのまま動かなくなった。流石に放っておくのも気分が悪いのだが(さっき斬り伏せられていた奴らは知らん)一応警戒しつつ近づく。

 「おーい大丈夫ですかー?生きてますかー…?」

 少女はぴくりともしなかったが、俺が体を助け起こそうとすると、急に目を開けて後ずさりをする。

「へんたいさん…?」

「ちげぇ!俺は幼女の体をどうこうする気はねえよ!」

(小さく首をかしげながらなんてこと言うんだ人を変態扱いしやがってまったく…)そんなことを考えながら、ひとまず少女のことについて聞くことにした。

「お前、名前は?」

「…?」

「あー、保護者とかいねえのか?こんなとこで一人とか危ねえぞ?」

 言ってからさっきの戦闘を思い出す。

「わたしひとりだよ?あぶなくないよ?」

「ああそうかよ…」

 そう言って立ち去ろうとすると、後ろからついてくる気配がする。振り返って追い払おうとすると

「…いっしょにつれてってほしいな?」

 と、上目づかいで目をうるうるさせながらそんなことを言われた。


「…好きにしろ」

「わーいやったぁ」

 こうしてこいつとの旅が始まった。まじか…

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