第7話

世界で1番高い山に位置する王国。

その王国の上空に1匹の竜が飛んでいた。


その竜は、誰かを思い、躊躇する。

だが、その竜の怒りは消えない。

人間というのは組織の上に成り立つ生き物だ。


組織が人格を作り、強さを作る。

だから、竜はある人間を作った組織を破壊することに決めた。


腹に(魔)力を貯め、王国の上空を二、三回旋回する。

異変に気づいた人間が、我をめがけて魔法の攻撃をしてくる。

中には、槍を投げてここまで届かせる猛者も居た。

しかし、我の鱗は貫けず、また、時既に遅し。


煉獄の業火。


竜の持つ、最上級魔法が、王国に向かって放たれたのであった。


火は王国全てを包み込み、建物も、何もかもを燃やし尽くした。

特に、着弾点に近い火は雨が降っても消えず、1週間後、全てを灰に還すことで鎮火した。


竜は、彼女に会す顔は既に無くなったと、新たな地を求めて旅に出る。


彼の冒険は、ここから始まる。

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セックルドラゴン @c00l

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