第7話 勇者候補を発見しました
観測者達に命令を出してFの世界で一年が経過した。
神と秘書はリアルタイムで補佐をするために分身体を次元をずらして時間軸を弄くった空間に配備し連絡を待っていた。が、なかなか来ない。
もうF見捨てようかなと思い始めていた頃に、たまたま、本当にたまったまノウスラーン大陸西部にあるリオンスシャーレ国の南側を捜索していた観測者の遣い人がとある噂を耳にしたという報告が今日あった。
『とある村に虫に刺されて手が燃えたらしいバカがいる』
『左手に変な痣がある少年がいる』
『村一番の問題児が魔物をボコ殴りしていた』
等。
「痣」
「これ、恐らく飛ばした矢で浮き出た紋様ですよね。手が燃えるというのも着弾した証ですし」
「…………ねぇ、この遣いと連絡とれない?」
「とれますよ。少しお待ちください」
秘書が通信機を使って何処かに連絡をとった。
恐らくFの観測者にだろう。
「もしもし、世界管理科の天使秘書のスーです。はい、お久しぶりです。神?ええ相変わらずですよ。今回あった報告ですけれど、遣いの人に直接連絡とれないかしら。あ、できる?分かりました、では伝えておきますね」
電話を切る。
「出来るそうなので、遣いに連絡が取れ次第掛け直すそうです」
「そう、わかったわ。てか、あれからもう四年くらい経ってるけど、世界の1/4侵略されてるけど、人間って結構タフなのね。見てよスー。こんな事態なのにギリス国とパルジューナ国が魔法陣の性能対決してるわよ。あはは、面白いわねー」
「神様現実逃避しないでください」
神様がFの世界ウォッチングを軽く諌めながら連絡を待っていると通信機が鳴る。
どうやら繋がったようだ。いくつか秘書と相手が話してから、通信機を手渡してくる。
「神様良い報告です。今遣いの目の前に勇者候補がいるそうです。しかもこちらは仲間がいるそうで、人数的に有利です。相手は問題児との噂なので捕獲するのにはチャンスかと」
「そう、チャンスなの」
神は通信機を受け取り耳に当てる。
「初めまして、神です」
『は、初めまして神様!私は観測者レベリィの遣い、フォーと申します!』
若い男性の声だ。しかも声がイケメンだ。
軽くテンション上がった。
「フォーよ、神から貴方に命令を下します」
『はい!』
「今目の前にいる四年も神の印をガン無視した勇者候補を速攻で取っ捕まえて教会に連行しなさい。邪魔するやつも纏めて連行よ、オーケー?」
『神のお心のままに!!!行くぞお前ら!!!』
おおー!と通信機の向こうで複数の声がする。そして次いで走る音「なんだお前ら」との若い声と争う音が聞こえ、プツンと通信が切れた。
「ふふふ、ようやくだわ」
「神様目が座ってますよ」
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