勇者を見付けて鍛えましょう
第6話 連絡がないのでこちらから探します
「ねぇ、連絡来ないんだけどどーゆーこと?もう守護の一族ほぼ全滅なんだけど。一人残っているけど、これ逃げてるよね。まぁ許すわ、君ら良く頑張った。職務放棄の結果だけどね、これ」
ペンを走らせながらFの世界から神官達に向けて御告げをばら蒔いた。白い清らかな矢の紋様が体の何処かに現れたものが次の勇者なので、速やかに大教会に連れてきてって命令したのに丸一日、Fの世界で三年ちょい連絡来ない。
「おっかしーな!ちゃんときらびやかに夢に降臨したのに信じてないってことなのか、それともサウスラーン大陸に行っちゃったのか。はたまた異教徒とか……。あ、そっちのが可能性あるな」
「もう一回飛ばしてみますか?」
「ムリムリー、あれの使用回数一回のみだしー、てか紋様持ちが何らかの形で消えないと次の継承できないもん」
どうしよっかな~と神は机に突っ伏した。
ついでにクッキーをパクリ。うまい。
「出来るだけの事はやったし、もう私から向こうに働き掛ける手段は無ーーー、あ」
神、勢い良く顔をあげる。
「どうしました?」
「ねぇねぇ、スー。まださ観測者達は世界に留まってる?」
「ええ、まだいますよ。生きてます。FのもMのも。それがどうしましたか?」
秘書の言葉を聞いて神は目を輝かせた。
「よぉーっし!じゃあ観測者達に特権をあげよう!!まずは不老長寿&年齢設定指定の権利!!怪我とかするし首跳ねられたら死ぬけど、望む限りは生きられるし外見も変化可能にしてあげよう!!あとは指定した座標に飛べる移動方法!!必ずマーキングしないといけないけど、こまめにすれば超便利なやつ!!」
「………別にいいですけど対価はどうするんですか?」
ふふんと神はどや顔をする。
「これから長期的に仕事をしてもらうからね、管理人程ではないがそれに近い権利をあげるのよん。お仕事は、遣い人を増やし、勇者を見つけ出して出来る限りのサポートと世界の定時連絡、そして悪魔の妨害行動を生きている限りしてもらうわ!!」
「うわぁ、相変わらず人使い荒いですね」
「その為の対価よ。長く生きれば魔力は溜まる一方だから出来ることは増えるわ。それに辞めたくなったら私に連絡して次に継承してくれれば問題ないし。そうしたら運命の賽子(ダイス)で出た目しか残りの寿命しかないけどね…、そこはほら、万能じゃないし」
神は手元の賽子(ダイス)を玩びながら言う。
「分かりました。ではその様に伝えておきます」
「お願いね、スー!」
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