話を聞け
(水曜の夜。リナ、部屋でビールの缶を開けながら)
リナ「最近こういうご時世だし、あの二人ともぜんっぜん会えてないわねー……LINEやなんかで喋ってる限り二人とも相変わらずみたいだけど。久しぶりに順に電話でもしてみよっかなー♪」
(吉野へ早速TEL)
吉野『おーーー、リナ。めっちゃ久しぶりじゃん』
リナ「そうねー。順も岡崎さんも元気ー?」
吉野『んー、相変わらずだな』
リナ「でしょうねえ。全く1年に1ミリ進むか進まないかの二人だしね〜♪
で、今何してる?」
吉野『あー、今ベランダでぼーっとタバコ吸ってる』
リナ「ふふ、相変わらずだねほんと。ちょっとは健康も気にしないと……」
(と、吉野の電話の奥でベランダのドアを開ける音と人声が)
『順、あんまベランダでのんびりタバコ吸うなって。煙が流れると隣の部屋に申し訳ないだろ……』
リナ「…………
……今の声……
岡崎さん……?」
吉野『あーー、っと……やべ、引越しのことリナにちゃんと言ってなかったわ……』
リナ「(吉野の呟きは聞こえず)……ねえ、どういうこと……?
今日って水曜、しかも今午後9時半……週のど真ん中のこんなエロい時間になんで岡崎さんの声が背後から……しっしかももうすっかり慣れ親しんだ同棲カップルかって気配のエロい日常会話までしちゃって……
順、あんた今どこでタバコ吸ってんのよ!? 二人とも、今までそんなこと一言も言ってなかったじゃない!? ちょっとなんなのよ二人ともーーーー!!!???(絶叫しながら半泣き)」
吉野「(耳にギャンギャン響くスマホを思わず遠ざけながら)いや別に、ほら、今日はちょっとビール飲みに来てただけっつうか、別に隠してたわけじゃねえしそのまだ全然エロいとかいう段階じゃねーし……ってかお前が泣くことねーだろーがっっ!!?」
岡崎「お前、さっきから誰と喋ってるんだ?
……ま、まさか……浮気の病が再発した……とかなのか!??(手にしていたコーヒーのカップをがしゃんと取り落とす)」
吉野「だからお前ら俺の話を聞け!!!!」
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