スパダリ(2)

(11月末の土曜の夜、1ヶ月のロス出張から自宅へ帰ってきた岡崎)

岡崎「……ん?なんかいい匂いが……これ、俺の部屋からか?

 それに、電気ついてるし……んん??」

(怪訝そうにドアを開ける)

吉野「……っっ(エプロン姿のまま思い詰めた表情でどどっと玄関へ出迎える)」

岡崎「うおっびっくりしたー! お前来てたのか? 

 で、なにこのいい匂い……夕食作っててくれたとか? ビーフシチューかなこれ? うあー一気に腹減ってきたぐうぐう言いそう……」


吉野「…………」

(無言のまま岡崎の手を取り、その指を辿るように熱いキス)



岡崎「お、おい何……」


吉野「…………おかえり、晶」




岡崎「——……」



(吉野の唇が指から離れ、その手を引き寄せると力一杯岡崎を胸の中に抱き締める)



吉野「おかえり」




岡崎「……」



(岡崎の腕が吉野の背を抱きしめる)




「————ただいま、順」




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