突然は困る
(金曜の夜、いつものカクテルバー)
吉野「なあ。
これから、お前の部屋行ってもいいか」
岡崎「……
(ぐっと身構える)なっ、なんでだよ急に」
吉野「そんな警戒することねーだろ。
だって、今までなにかっていうとほぼいつも俺んとこだったろ?リナも俺の部屋は溜まり場みてーに思ってる節あるし。
それに……(微妙にもじもじ)そういう相手の部屋って、やっぱ入ってみたいと思うじゃんかフツー」
岡崎「(微妙に赤面して俯く)……でも……
突然来られるのは、ちょっと困る」
吉野「だいじょーぶだって。俺んとこなんか全然片付けてもねーのにいつもそのまんまお前ら上がってくんじゃんか。お前の部屋は多分俺んとこの100倍綺麗だって想像つくわ」
岡崎「いつもとっちらかったお前の部屋と比較しても全く意味がない」
吉野「ひでー言い草だな……ってか、なんでそんな困るんだよ?」
岡崎「……」
吉野「…………
『……も、もしかして……
人には見せられないあんな本やらこんなDVDやらあれやこれやが全然片付けてねー……とか……!?
いや待てよだってこいつ相当に女嫌いだろ……だから俺とこうなった感もあるんだし……
じ、じゃあいったい何がそんなに……え、なんだろう、ちょっと怖い……』」
岡崎「…………
『だって、先週末は本当にたまたまだったんだ……掃除を3か所も手抜きするなんてっ……本棚の裏と窓枠の溝とコーヒーカップの漂白!!!』」
マスター「…………
『今の二人の脳内、相当食い違ってますねきっと……根本的に脳ミソ真逆だからこの子たちは………』」
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