ラーメン(後編)

(吉野の部屋)

吉野「レタスに卵……よし、材料は何とか揃いそうだな」

岡崎「おいそんな気合入れなくていいぞ吉野」

吉野「別に気合いは入れてない。まあせっかくだし、ただのカップラーメンよりちょっとはうまいの食わせてやるからさ」

岡崎「……ふうん」

吉野「塩味のインスタントラーメンにレタスをどかっと加え……3分煮たらスープと卵を手早く加えて混ぜ、レモン汁と酢、ラー油を適当に……へいお待ち」

岡崎「……手早いな。

じゃ、いただきます。

…………んん、めちゃくちゃさっぱりでうま……」

吉野「これ、飲んで帰ってきたときによく作るんだ。酔い覚ましにちょうどいいだろ?」


岡崎「…………

お前、思ったより器用な」

吉野「まあフツーだ、この程度」

岡崎「……俺はこういうセンスがないからびっくりする。割と」


吉野「(くすっ)そりゃどうも。

——で、酔いは覚めたか」

岡崎「……ん、一気にすっきりした」


吉野「じゃよかった。

終電なくなるから、それ食べ終わったら早めに帰れ」


岡崎「…………

感想は、聞かないのか」

吉野「まあ、それはいいや別に。酔いも覚めたんだし、そこそこ気に入ってもらえたようだし。

お前さ、酔っ払うとほんとアホんなるから困るわ」


岡崎「…………」




(岡崎を玄関へ送る)

吉野「じゃ気をつけて帰れよ」


岡崎「…………

(玄関を出ようとした足を止めて振り返ると、吉野の首にぐいっと腕を回して引き寄せ甘々キス)」


吉野「…………んん……っっっ!!!??」

岡崎「(ぐいと吉野を引き離して睨む)……ほんと不器用でクソ鈍いのなお前って。

じゃーなっ(バタンと出て行く)」



吉野「……………………(しばし唖然)

…………おい……

もしかして……

今の……マジで据え膳食わなかった…ってヤツか……!!!??」






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