ラーメン(前編)

(金曜の夜、カクテルバーを出た二人)

吉野「なあ、お前今日微妙に足ふらついてねーか……ストロベリータルトもオーダーしなかったし。どっか具合でも悪いのか?」

岡崎「ん、ふらついてる?……あーそういえば、今日は何となくデザートを我慢してみようと思った結果、なんかその分甘いのを飲みすぎた……かもしれないなー。カルアミルクとか」

吉野「も〜だから〜〜〜。フツーにタルト食えってお前の場合!!」

岡崎「それよりも吉野。俺はなんか今無性にしょっぱいものが食べたい気がするぞ。シメに是非ともラーメンが食べたい。……ラーメン屋行こう」

吉野「は??

『…あーこれマジ酔っ払いパターンだわ……仮に俺がこの後ラーメンとか言ったら普段は完全に嫌な顔するこいつが、自らそういうこと言い出すとか……』

絶対やめたほうがいい。この辺にテキトーなラーメン屋もないし、とりあえず帰るぞ」

岡崎「(ムスッっとして)なんでだよー。

店がないんなら、最悪お前んとこのカップラーメンでもいい」


吉野「…………へ……?

俺んとこの……って、俺の部屋に食いに来る気か??」

岡崎「その通りだ」


吉野「…………

『おいコレどーすんだよ……うあー赤ずきん&狼展開まっしぐらじゃんか……

でもまあ、こいつから言い出したことだし……この展開を無駄にしちゃ男が廃る…ってヤツじゃねーの?据え膳食わぬはなんちゃらって説もあるし……♡♡』

(内心のデレ顔を固く封じ)…別に俺はいいけどさ。お前、後からごちゃごちゃ文句言うなよな?」

岡崎「文句って何だよ?

それに……(悪戯っぽく微笑む)お前の出すラーメンがもし俺を充分満足させられたら、スペシャルなご褒美をやろう」


吉野「…………えっ……

すっスペシャル…って……まっまさかそれはその……」

岡崎「とりあえず、まずはお前のラーメン食べてからだ。ほれ行くぞ」


吉野「……『うあああー……スペシャル……

今からヤバくなってきたほんとヤバイってどうしよ!!?(//∇//)』」





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