丁重
(大学時代、岡崎のバイト先の書店)
超美女な客「あの……すみません。
東野圭〇の『パラ〇ルワールド』という本を探してるんですが……」
岡崎「ああ、その本でしたら、こちらです」(先に立って案内)
美女「すみません、ありがとうございます。
『……普段は歳下なんか範疇外だけど……岡崎くんって美形で知的で、最高に可愛い……!♡
彼に本の場所を尋ねるのは、これで4度目。そろそろ私の美貌を無視できなくなる頃よ……』」
岡崎「(棚を示す)ここですね」
美女「(美しく微笑む)ありがとうございます」
岡崎「…………(客をじっと見つめる)
あの……この後、少しお時間ありますか?」
美女「え……『はいキタぁーーーっっ!!』」
(内心を隠してツンとすまし)ええ、大丈夫ですけど」
岡崎「あと10分ほどで仕事上がるので……それまで少しだけ、待ってていただけますか」
美女「…まあ10分くらいなら……
『ああ、ヤバイわこれギャップ萌え……岡崎くんってもっと手強いかと思ったけど、実はめちゃくちゃ純情くん……!?きゃー可愛いっ今すぐ抱きしめたいっっ♡
さあこうなったら一刻も早くいただくわよ〜〜♪』」
(10分後)
岡崎「お待たせしてすみません。
これから、少し私に付き合っていただけますか?」
美女「…ええ」
岡崎「では、早速参りましょう。
これから当店内の詳しいご案内をさせていただきます。どうぞこちらへ。まずは新書コーナーから」
美女「え、いきなりそんな、困るわ……って、当店のご案内??(よくわからないまま広い店内を引き回される)」
(小一時間ほど経過)
岡崎「……以上で、私からのご案内は全てになります。いかがでしたか?」
美女「……(疲れ顔)ええもう充分……」
岡崎「ならば良かった。
では、これからはもうお一人で本を探せますね?」
美女「…は?」
岡崎「(美しく微笑む)本日のご案内は、あなたのように本を愛するお客様へ、私からの特別サービスです。
我々スタッフは日々忙しく業務に当たっておりますし、今のままではご来店の度に店員を呼び止めるお手間をかけさせてしまいますので……
こうして本の場所を覚えていただければ、あなたの時間の無駄もなくなり、スタッフも大変助かります。
今後とも、当店をどうぞご贔屓に(丁寧に礼をする)」
美女「…………(ふっと微笑む)ええ、そうするわ。
『……時間の無駄、か……
丁重にお断りって、まさにこのことね……』」
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