カレシ

(金曜の夜、いつもカクテルバー)


吉野「……お前、次何にする?」

岡崎「え?」

吉野「ほら、グラスがさ。そろそろ空きそうじゃんか……メニュー見るか?」

岡崎「…………

なっなんだそれは……そんなの、今まで聞いたことなかっただろうが……」

吉野「……あ。そう言えば……そうか?」

岡崎「なんかやめろよ、変にキモいから」

吉野「んーそうだな…」


(やがてチェック間近、ストロベリータルトの時間)

吉野「おい、唇の脇クリームついてるぞ」

岡崎「ん、どこだ」

吉野「右側の口元。

ほら、ここだって……(何となく岡崎の唇に指を伸ばしてクリームを拭う)

…………」

岡崎「…………(驚愕の表情で赤面しつつ固まる)

お、おまっ……っっ!!

さっきから一体なんなんだよそれっっ!!?たっ頼むからそういうゾワゾワするヤツやめてくれっっ!!」


吉野「…………

『確かに…なんでやりたくなるんだ?

こんなの今まで誰にもやったことねーじゃんか……??』」



マスター『(離れた場所からニマニマとチラ見)……つまりあなたもやっとカレシやりたくなったってことですよ……♡』






  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る