第23話 隠者の苦悩
46・南部への途上にて
『ザイールからヘイパーまで、辺境州も含め途上には大小5つの州があります。どこも首都からは遠いという立地もあり裕福とは言えませんが、もしヘイパーが破綻すれば難民が押し寄せてくると脅せばイヤでも物資を提供してくれるでしょう。』
脅さずとも気前よく物資を提供してくれればいいが、南部の叛乱は「自分たちの問題でもある」という認識がなければ、容易には協力を得られることはない……というのがフレッドの見立てであり、実際にザイールの南東に隣接するイルド辺境州はユージェ侵攻時にすら援軍を出さなかったほど周辺の状況には無頓着だったこともあり、当然のように物資の提供も断ってきたのである。
「穀物袋の一つも出さぬとのことですが、如何いたしましょうか。脅せば出す可能性はあるものの、仮に出ても大した量にはならないでしょう。あのご様子では……」
そう報告するテアも呆れ顔になったイルド領主ヴァッレは、元官吏の出身で職務を忠実に果たすことを認められ領主を任された男だった。そんな彼が領主の職務の内にない「他州の窮状に手を貸す」行為をよしとするはずもなく、それゆえ他州のための援軍も救援物資も出そうとはしなかった。
『説得なり脅迫なりをしている時間も惜しいですし、先を急ぐとしましょう。しかし自分の領地を第一に考えるのは当然ですが、いざ彼らが窮地に立たされた時、あのような対応を取ってきた者らを助けようという気になるのか。領地の行く末を案じるなら、そこまで考えてほしかったところですね。』
フレッドとしてはイルドも領主ヴァッレも、ともに「見るべきものなし」との結論に至る。そして後にザイールが独立勢力となった折に最初の侵攻先となり、周辺の州はイルドを助けることなくあっさりと陥落してしまうのだが、それはもう少し未来に起こる出来事である。
「竜車6台分のお酒、買い付け終わりました。積み込みは今日中に終わらせてくれるそうです。竜車もだいぶ埋まってきましたね!」
アル、ベタル、グアンら隊長格の将と行軍計画を話し合っていたフレッドに、リリアンがそう報告する。ヘルダ村最大の宿屋たる[酔いどれ羊亭]の看板娘だった彼女は対人交渉が得意だったため、商人との取引は一任されていたのだ。さすが豪商バスティンの娘だけあり、商才にも恵まれていた。
『ご苦労様ですリリアン。この地の穀物酒は南部で高値が付くそうですし、戦時ともなればなおさら付加価値も高まりましょう。本来なら救援物資で竜車が満たされていてもらいたいところですが、予測以上に出し渋りが酷いので仕方ないですね。』
イルド辺境州を抜けラトスル辺境州に入った一行は、そこで心ばかりの支援を受け取った。しかしラトスルは前周期かなりの不作にあえぎ、それが精一杯の支援であることはよく分かるほどに領内は疲弊しており、イルドの時のような反感を抱く者は誰もいなかったのである。そして現在はラストルの南東に位置するアルーア州に入り、名産品の穀物酒を買い付けていたところである。
「この地は名産品で栄えているおかげで、救援物資も気前よく出てきましたな。この地の領主が前周期、ご当主の騎竜の腕前を見て感激したということも大きかったようですが。しかしあのアヴニアという巨竜は、そこまでの猛威を振るうのですか?」
そのアルの質問は、ベタルやグアンにも興味のあるものだった。彼らもザイラスで初めて[破城崩壁]のアヴニアを見たときは度肝を抜かしたが、援軍がユージェとの戦闘終了後に到着したため戦場でどのように動くかは見ていない。そのため、ただデカいだけの色物なのではないかという思いもあったのだ。
『彼らが[破城崩壁]との異名を持つのも、城壁に見立てた壁をアヴニアの体当たりで突き崩したことが所以です。私が坂を上り通り越した壁を、たった一撃で粉砕してですよ。それに、巨体ゆえ加速力は低いですが最高速はレック種に勝っていました。あの巨体が高速で突撃してきたら、まともな人は間違いなく逃げるでしょうね。』
それに私もその時には負けましたし……と締めたフレッドは、この話はもう終わりという体で単身、謝礼と出発日の申請のためアルーア領主ディリーノの館に向かう。残された3人の隊長はフレッドが負けたということに信じられない様子だったが、真相を知る人間がいることに気が付きリリアンに詰め寄った。
「お嬢、あなたは確かその乗り比べに居合わせたのでしたな。ご当主が竜の扱いで後れを取るなど我らには想像もつかぬのだが、実際どうだったのだろう?」
どうと聞かれても、リリアンはこの程ようやく一人でも安心して竜を扱えるようになったくらいの腕前である。技術的な話など出来ようもなかったが、その勝負について一つだけ言えることはあった。
「その、フレッドさんは負けたと仰っていますが……皇帝陛下のご裁可は引き分けというものでした。アウデン様は、フレッドさんが自分たちの命を気にかけず勝負にこだわっていれば自分たちは負けていたと、そう申されています。ですから、試合に勝利したのはアウデン様でしたが、自身がそれをお認めにはならなかったんです。」
爆走するアヴニアが強靭な脚で弾いた丸太が乗り合わせた射手を直撃すれば、射手は間違いなく無事では済まない。普段であれば長斧槍を持つ指揮者にして討ち手であるアウデンがそれを叩き落とすところだが、到達地点を目前に控えフレッドと並んでいた彼は武装の大半を投棄させ軽量化を図った。その結果、丸太を叩き落とすことはできなかったものの、射手の命はフレッドの槍に救われる結果となる。
「ご当主が相手の射手を救った結果、最後に差し込まれたということか。確かに試合では負けているから、ご当主なら「負けは負け」と譲らぬでしょうな。」
ベタルがそう漏らすように、皇帝が引き分けを宣言してもフレッド当人はあの勝負については負けだったことを譲ることはなかった。彼は「こうしてさえいれば」「ああなっていたなら」という仮定を極端に嫌っており、あの勝負についても「射手を無視していたなら勝っていたはず」と言われる度に訂正するほどであったのだ。
「ご当主様なら、きっと「射手を気にかけたことも含め自分が至らなかったから負けた」と申されるでしょうね。人一倍ご自分の選択に、責任を持たれる方ですから。」
グアンの感想もまた、よく主を見ているものだった。彼女の言うようにフレッドは誰よりも己に対しては厳しく、怒りが自身に向くことはあっても他者に向くことは皆無と言ってよかった。もっとも、怒らないだけで過失が度が過ぎれば呆れもするし、そうなれば関わるのも避けて冷たい素振りに見えてしまう面はあったが。
「事の次第はお嬢のおかげさまでよく分かりました。ありがとうございます。さあ我らも仕事に戻るとしよう。この調子なら、明日にはアルーアを発つだろうからな!」
そのアルの言葉により、隊長格3人もそれぞれの持ち場に戻っていった。残されたリリアンもフォンティカやロコの姿を発見し、そちらに向かう。こうして[華心剛胆]の物資輸送は粛々と進められ、残るレトース辺境州とシュニ辺境州を経てヘイパー州に到着する。時にL1028育成期52日、ヘルダを発ってから40日以上もかけた長旅となっていた。
47・南部の理想郷
『ここがブルートさんの故郷ですか。自然が豊かで、風光明媚。どことなくザイールに似た、本来であればのどかな州だったんでしょうね……』
フレッドの感想はごく一般的なものだが、なぜ「本来であれば」との言葉が付いてしまったのかというと、街道沿いには至る所に難民と思しき人々が住まうテントなどが乱立しているからだ。ヘイパーより南のトスク辺境州やスフェンテ辺境州では皇国軍と叛乱軍が激突しており、難を逃れるため多くの人々がヘイパーに流入していた。
「よく来てくれた、銀星疾駆殿!陛下からも御下賜はあったのだが、到着にはしばしの時が必要でな。恥ずかしながらどう食いつないだものか、悩んでいたところだ。」
そう言いながらフレッドを出迎えたグロウは、救援物資の一覧表を手渡されるとすぐに部下へ指示を出し、各地の難民キャンプに向けて発送の準備を整える。ヘイパー州に難民の面倒を見なければならない責務こそないが、ブルートの一家エルトリオ家が領主だった頃からの州是が「苦しむ者や虐げられる者を出さず、見捨てず、付け入らず」というものであり、それは今も堅持されていたのである。
『途上の州も、一つを除けば概ね好意的に物資を提供してくれました。それとは別口になりますが、こちらで高値が付くというアルーアの穀物酒やレトースの織物なども運んできてあります。それらの地方にはヘイパーの名産である果実酒を持ち帰る約束をしておりますので、それを購入する代金だけは確保させていただきたく存じますものの、おそらく多くの余剰金が出るはずです。そちらは寄付いたしましょう。』
グロウはすぐに「イルドのヴァッレか……まあ、彼はな」と答えたあたり、領主たちの間でもヴァッレが「しまり屋」なことは有名なのだろう。ただ、その後の交易品と売り上げの寄付についての話は喜色を浮かべ喜んだ。
「銀星疾駆殿は将才だけに留まらず商才もおありのようだ。まったくもって抜け目なき事だが、ここはそのご厚意に甘えさせていただこう。もちろん、果実酒のほうはすべてこちらで数を揃えさせていただくよ。酔って暴れられても困るゆえ難民たちに酒を配るわけにもいかず、かと言って今この南部へ買い付けに来る強者もそうはいないからな。正直だぶつき気味で出征中の正規軍に買い叩かれている有様なんだ。それよりは、援助してくれた州に恩返しをしたいと思う。ザイール領主殿にも、今回の計らいの謝礼として故郷の味を持って行ってくれるとありがたい。」
フレッドには幼馴染と呼べるほど付き合いの長い同世代は、強いて挙げればフィーリアが当てはまるくらいである。マイアーは兄と同じく7周期も上であり、彼には年下の兄弟もいるが、ある日いきなりマイアーの教え子となったフレッドのことを快く迎えてはくれなかった。男同士の腐れ縁を知る機会のないフレッドにとり、ブルートとグロウの関係というのは羨ましく思えるものでもあった。
『ザイールを始め、ご協力いただいた各州には帰り道すがらにしっかりご領主の謝意をお伝えしておきます。ところで、戦のほうはどうでしょうか。そこが解決されませぬと、いつまでもこの状態が続いてしまいうと存じますが?』
その言葉を聞いたグロウは、先ほどまでの笑顔は消え表情が曇る。まさか戦況が悪いのだろうか……とフレッドは感じたが、グロウの憂慮は戦況のことではなかった。
「うむ、我が軍は一方的に押しているという話だ。しかし、最初の降伏勧告で「捕虜は取らぬゆえ死にたくなくば降伏しろ」と言ったらしくてな。強く脅せば降伏すると踏んだのだろうが、実際は叛乱軍の誰も彼もが腕を落とされ、足を失ったとしても死ぬまで戦っているらしい。その狂気に当てられたのか、我が軍にも心を病んでしまう者が多く出ている有様だ。そこで、ヘイパーのうまい酒でも飲んで嫌なことはすべて忘れてしまおうというわけさ。まったく指揮官は何を考えているんだか……」
有利な状況の戦いを、今も有利なまま運んでいるのだから指揮官は無能ではないのだろう。しかし、人の心の機微にまでは思い至らないという、典型的な学術的戦術家に違いない。フレッドはもし自分が指揮するのであれば、まず「ユージェはザイールで大敗した」と揺さぶり、次に「皇帝陛下もお許しになっている」と追い打ちをかける。さらに「投降した者に手荒な真似はしない」との3つの約束を書面にして叛乱軍に送っただろう。そうしてまず心を攻め、どうしても戦うなら一戦で力の差を思い知らせる。フレッドがユージェ統一のためにしてきた戦とは、そういうものだった。
『それでは今しばらく、終わりそうにありませんね。それと、被害の責任を取らせるためにユージェへの侵攻は苛烈なものとなりそうです。ヘイパーは「難民の対応で兵や物資を出すどころではない」とでも理由を付け、遠征軍には兵を出すことを避けるよう進言させていただきます。おそらく、遠征は大失敗しますゆえ……』
最後の部分だけやや小声になり、フレッドはグロウに進言した。グロウとしても兵や物資を出すのは厳しいだろうと考えていたが、皇国が負けるとは考えておらず、さすがにフレッドの言葉には驚きを隠さなかった。しかし、この男がそう言うからにはそれだけの理由があるはず。そして遠征に関わる気がない自分にとって、その理由はどうでもよかったのである。
「ご忠告は胸にしまっておこう。では、さっそく酒の準備をさせるとするかな。いくら長引くと言っても、諸君がザイールに戻る前に決着はつくはずだ。遠征が正式に布告される前に戻っておくのが理想であろう?」
グロウは手早く果実酒を集め、50輌以上の竜車に樽が満載されるまでに要した時間はわずか2日だった。フレッドらは荷を積み終わると同時にヘイパーを発ち、途上の州に手渡したり売却しながら北上を続け、中央山脈中央部に差し掛かると、フレッドは隊商と化した[華心剛胆]の指揮をアルに任せ、リリアンやテアら数名を引き連れ単独行動を取った。今回の旅の目的がまだ一つ、残されていたからだ。
48・見通す隠者
「試練は無事に退けたようじゃな、英雄殿。あなたはわたしのことをさぞ恨んでおることであろう。兄君のことを知っていたならなぜ教えてくれなかったのか、と。」
フレッド一行は以前に教わった手順で森を抜けると、今回はいとも簡単にメルクマールへとたどり着くことができた。出迎えに来たシェーファーとの挨拶もそこそこにプラテーナの下に案内されると、彼女は口を開くなりそう言った。
『兄のことをご存知だったことは驚きましたが、失われた[龍ノ煌キ]をご用意して下さった件も含め、あなたを恨むには至りません。両親も「死に目に会えなかった兄を見送ってやれた」と申しており、謝意を伝えるよう言付かっております。』
それを聞くとプラテーナは微笑みを浮かべたが、それは10周期ほどの女の子が見せる表情としてはあまりに切なげなものである。彼女には未来を予見する力はあれども、その未来をねじ曲げるような力はない。待ち受けている未来が悲しみに満ちていようとも、それを受け入れるしかないのだ。
「かつてのわたし……過去にプラテーナとなった者たちの中には、悲しすぎる未来を変えようと足掻いた者もいた。時に占い師として人に道を示し、また予言者となりて人々を導いたのじゃ。しかしその結末は、大半が最初に見た未来よりも悲惨なものになり果ててしまった。運命とは、容易に変えられるものではない。川が大海を目指す過程で流れる場所を変えようとも、いずれ海に至ることが変わらぬように……」
今回も、戦鬼将コルトをウルスの里にある時点で破壊することは、やろうと思えば可能だった。しかしそれで親子や兄弟の対峙を防いだとしても、救われなかった兄の魂はいずれ必ず、フレッドたちの前に現れる。しかも自我を失った悪霊として、救われることもなければ癒されることもない想いを振り撒く厄災となっただろう。どのような形になろうとも、あの一家が「再び相まみえる」ことが運命だったのだから。
『それでもあなたは、定められし運命の範疇で最善を尽くして下さった。槍もそうですし、マイアー先生にあった投書もあなた方の手によるものでしょう?私たちが兄と向かい合うのが避け得ぬ運命だったのなら、最良の形と結果が得られました。感謝こそしますが恨むなどあり得ないことです。どうか、ご自分を責められませんよう。』
あまりに前向きな意見のため、その場に居合わせた多くが「無理をしている」という思いに駆られたが、フレッドもその両親も本心から、コルトになったクロヴィスと対峙したことを悲観的には考えていなかった。それよりも兄が最初に討たれた際に受けた衝撃のほうが比較のしようもないほどはるかに大きく、そしてその悲しみを受け入れ乗り越えた芯の強さを持っていたからだ。
「それでは、この話はここまでに致そう。次に、そちらの方々がザイールのご使者殿であろうか。レヴァスの遠戚に、ウルスのお方。それにファロール族とな。ご領主は皇国出身と聞いておるから、ザイールはまさに世界の縮図のようじゃな。」
外見で判断できるフォンティカとロコはともかく、エノーレ族のウルス氏族出身と見抜かれたテアや、外見的には大柄の人間であるマレッドは核心を突かれ大いに動揺する。フレッドに「外見は幼い子ですが、中身は1000周期は生きている」との話を聞いてはいたが、実際にこうして言い当てられるまで半信半疑だった面はあるのだ。
「お初にお目にかかります。わたくしどもは領主ブルートの命により、叛乱時にご協力いただきましたことの御礼と、今後の世界の在り方についてのご所見を伺うよう託された次第にございます。わたくしはテア=ウルス=リム、貴女の申されますようにウルスの森に生を享けし者であります。」
ザイール政府関係者の中ではもっとも知識人で常識人でもあるテアが、この場では交渉を担当するようだった。テアに続き、マレッドやフォンティカらもそれぞれが名乗り、一通りの挨拶を終えた。
「今後のことについては、おそらく長くなるであろうから夕食でも取りながらに致しましょうかな。まずは皆さんを宿舎に案内させるゆえ、そこで楽な装いにでも着替えて下され。……実は前に英雄殿がこちらに見えた際、外客用の宿泊施設がなくての。あの後、作らせておいたのじゃ。まったく、見事なまでに使われておらぬが。」
プラテーナが未来を予見できるといっても、それは「歴史の規模」の話である。そのため、彼女には「いつ何時メルクマールに来訪者がある」といった細事まで見通せるわけではない。しかもこのメルクマールに麓の誰かが迷い込むことは少なくなく、術の心得がある者が訪れることもあるが、そういった者はだいたいその日のうちに返されるか知人の家で寝泊まりするのが普通である。他の組織ないしは国の使者を泊めるのは、この1000周期で今回が初めてだった。
『そうですか。実は前回、新婚家庭にお邪魔して居た堪れないと申しますか……有体に申しますと元気なお子様に歓迎されましたもので、今回はこの人数ですしどうしたものかと考えておりました。万が一に備えテントなども用意はしましたが、せっかくですからその建物に存在意義を存分に発揮していただきますね。』
以前に訪れた自分を話のネタに使われたフレッドが、やはり以前のことをネタにして返すと、プラテーナやシェーファーも思わず笑う。シェーファーの息子シェラートは泣き声の大きな赤ん坊で、フレッドやリリアンはなかなか眠れない経験がある。
「今回は安眠できるよう、周囲には草木しかない場所を選んでおる。メルクマールでは眠れない、などと話が広まってもよくないからのぅ。」
そう言いながら一行を見送るプラテーナの下を去り、シェーファーに案内された館で一息つくと、静かな時間が流れ始める。テアはウルスの森を、マレッドは一族の隠れ里を、フォンティカやロコはファロール族の集落を思い出した。そしてリリアンはもちろんヘルダ村を思い出し、それはフレッドも同じだった。もはや彼にとって望郷の念を抱く場所はユージェ統一連合の首都ユーライアではなく、神聖シルヴァンス皇国ザイール辺境州ヘルダ村。それが今のフレッドが帰るべき場所なのだ。
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