第22話 争乱の兆し
44・ユージェの至宝
「この度は、我が連合に属する者たちの非道な画策により、大変なご無礼およびご迷惑をおかけいたしました。盟主ラゴスも、国を出られない自分に代わり詫びておいてくれと申されておりました。本当に、申し訳のしようもありませぬ。」
ハゼルとフォーディ、そして関わりがあるテアも揃ったところで、マイアーは深々と頭を下げ謝罪した。一連の問題は彼自身の幽閉中に起きたことであり、マイアーが頭を下げる筋の話ではないのだが、彼に言わせれば「自分がもっと、志の低い人々の気持ちを理解していれば起こらなかった問題」であり、広い視野で見れば自分にも責任はあるということだった。
「およしなされ、マイアー殿。お主やラゴス様の気持ちは十分に受け取った。それよりも、何か話したきことあればこそお主が来たのだろう。それを聞かせておくれ。」
ハゼルは成人してからの35周期ほどは、まだユージェ王子だった頃から連合盟主に至るまでラゴスに付き従う人生を歩んだ。ラゴスが暗殺者や敵兵に命を狙われた際も、ハゼルがいなければ助からなかった場面はいくらでもあった。ラゴスにとってハゼルは単なる臣下を超えた親しい存在だったが、それゆえに「息子と共にユージェを出たい」という願いを聞き届けたのである。それが、7周期も前に死去した朋友とも言うべき男の長男の魂を流用されたのだ。穏やかで芸術にばかり興味を示していたラゴスも、今回ばかりはかつてないほどの怒りを見せているのだという。
「このままではフォーナー殿も、娘や孫たちも含めダルトンの一族は揃って打ち首となりましょう。しかし私は、なんとしてもそれを回避したいのです。あれだけのことをしておきながら厚かましき事なれど、ご助勢を賜りたく参上いたしました。」
ハゼルとフォーディは顔を見合わせ、テアに至っては父や同郷の者が「あれだけのことをした」側ということもあり、口は開かずただ俯いたままである。あらかじめその目的を聞いていたフレッドだけが、話を進めるため口を開く。
『私たち一家は、フォーナー殿やウルスの方々の処罰は望んでおりません。それをしたためた書面などを用意し、盟主殿に助命の嘆願でも致せばよいのでしょうか。事が事ゆえ無罪とはならないでしょうけど、最大量刑の一族連座打ち首は避けられるはずですからね。先生、そのような運びでよろしいでしょうか?』
マイアーは頷き、ハゼルやフォーディもマイアー来訪の目的を悟る。ただテアだけは、やはり明るい顔にはならなかった。彼女はウルス氏族が行った恩人たる人々への仕打ちに心底呆れ、氏族すべての誅殺も辞さずというところにまで至ったからだ。
「ラゴス様にはワシが文をしたためよう。それと、ティルムート殿にもな。先ほどフレッドが申したように、ワシらは誰も憎んではおらん。結果だけを見れば、本来は死に目に会うこともなかったクロヴィスを見送ってやれたのじゃ。その点には感謝すらしておる。クロヴィスの死因については別問題として……の。」
しかし「フォーナー殿に何か言う気はない」と締めたあたり、ハゼルの心も揺れてはいたのだろう。それでも、無関係と思われるダルトンの一族郎党に至るまで斬首というのは、ユージェの未来にとっても良くない選択と思えばこそ協力するのだった。
「ウルスの民が皆様にお助けいただくのは、これで三度目となります。ご恩をお返しするどころか、仇で返したわたくし達にこのようなことを口にする資格があるとも思えませんが、本当に申し訳ございませんでした。そして、ありがとうございます。あれだけのことを仕出かした父や、郷里の者たちをお許しいただき……」
こうして、ダルトン家の一族やウルス氏族を救うための話し合いは終わった。ハゼルはさっそくラゴス宛の嘆願状をしたため、ティルムートにも一言を添えた書状をテアに渡し「あなたも近況報告くらいはしなさい」と諭す。それら二通の書状が完成するまで、フレッドとマイアーは別室で政治的な話に花を咲かせていた。
「我が軍はすでに撤退を始めているから、程なく州都ザイラスの攻撃隊も引き上げてくるだろう。あちらはそれなりに激しい戦いになってしまったらしいけど、城門や城壁は越えられなかったそうだから民衆の犠牲は出ていないはずさ。それが免罪符になるわけじゃないにしても、市街地の乱戦という最悪の状況だけは避けられたよ。」
ザイラス攻略隊は日を追うごとに優勢となっており、あと二日もあれば城内への侵入も可能というところで、マイアーの撤退命令が下された。一部の将兵は不満を隠そうとしなかったが、総大将のフォーナーがユージェ基本法第二条違反で捕縛されたとあっては、フォーナーの指示を守る=フォーナーの協力者ということになり、最悪の場合は連座で斬首となる。不満だろうと何だろうと撤退するほかないのだ。
『皇国の援軍も、おそらくあと数日で到着する予定です。もし鉢合わせていれば戦うことにもなっていたでしょうし、色々な意味で最悪は避けられましたね。』
もし両軍がザイールで戦端を開けば、犠牲になるのは両軍の兵たちだけではない。戦火に森は焼かれ、開墾した畑が踏みしだかれ、口にできる鳥獣も多くが食料として狩られることだろう。そうなれば、戦いが終わった後に残るのは荒れ果てた領土のみとなり、多くの者は休眠期を越すことも難しくなってしまう。
「うん。しかし問題はこれからさ。被害の多寡に関係なく、皇国としては自国に攻め入ったユージェを放置はできないだろうからね。それに、皇国南部では我が国の侵攻に触発され、大規模な叛乱が起きているらしい。私がザイールの件を収集させるためユージェを発つ前、皇国南部の亜人種代表とやらが派兵の嘆願に来ていたのを見たよ。まったく次から次へと、面倒事ばかりを持ち込んでくれるねぇ。」
髪を掻きながら、マイアーはそう嘆息する。皇国としては、南部の叛乱もユージェの煽動によるものと考えるだろう。今頃は首都シルヴァレートから南部に向けて討伐軍が出陣していてもおかしくはない。
『ですと、南部を鎮圧した部隊と北西部のザイール増援軍による、二方向からのユージェ討伐作戦……というのが最終的な形となりましょうか?』
大量に動員せざるを得なかった兵たちを、そのまま戻したのでは大赤字である。ザイールのユージェ軍はすでにほぼ撤退しており、南部は辺境民の叛乱である。戦後賠償を求められる相手は、こうなるとユージェ本国しかないのだ。
「まあ、来るだろうね。大陸の歴史が始まって以来の、超大国同士の戦いさ。これまでとは規模も、そして犠牲も……何もかもが初の戦になってしまうんだろう。もう少し時間があると思っていたんだけど、藪をつついてしまったからには仕方がない。」
ぼんやりと宙を眺めながらそう話すマイアーは、すでに皇国への対処法を考えているようだった。フレッドのように武人の面を持ち合わせていないマイアーは、フレッドが時折見せる「武人ゆえの非合理性」も持ち得ない。そのため、合理的すぎるその策や戦術は時に過酷にして冷酷。勝利を追求するその姿は味方の背をも寒くさせることがある。彼がフレッドほど民に人気を博さなかったのも、既得権者を抱え込んだフォーナーに出し抜かれてしまったのも、すべてはその合理主義による「人間味にやや欠ける」ところにあった。もちろんそれは、責任ある地位に就いた者が人間味を発揮し過ぎればフォーナーのような過ちを犯すと分かってのことだが、一部の親しい人以外には「冷徹な面もある」と誤解されている男であった。
『私はこの地に住まう者ですが、皇国の臣という自覚はありません。この地の叛乱に手を貸したのも、今回こうしてユージェと戦ったのも、すべては両親がこの村を気に入ったからです。それゆえ、私が皇国の道先案内人になりユージェに攻め入ることなどはあり得ないこと、ここにお誓い申し上げます。もちろん、こちらに来てからの知人も増えましたから、彼らを救うために動くことはあり得ますが……』
フレッド個人は行きたくなければ行かずともよい立場だが、ブルート以下のザイール軍はそうもいかない。皇国南部の叛乱が鎮圧され、両面作戦が実行となれば出撃命令が下る可能性は大いにある。仮にそうなったとき、フレッドは何もせず一人ヘルダ村で待つことなど出来るはずもない。
「それは君の好きにするといいさ。君はもう、ユージェのクロトじゃなくヘルダのフレッドなんだからね。ただ、私も国の命運を背負って立つ身。もし戦うことになってしまったら、手加減も容赦もできないよ。それだけは覚悟しておいてほしい。」
もし先生と戦うことになったら、直接戦闘に持ち込む以外に勝ち目はない……それがフレッドの意見であり、それはあながち間違っていない。この二人は指揮能力や作戦立案能力にフレッドが思うほどの大きな差はないが、致命的なまでに違っている点が一つある。武人の家に生まれ武人たらんと育ってきたフレッドにとって、自分より弱かったり不利な状況にある相手というのは、有体に言えば興味をそそらない。それは集団戦に於いても同様で、弱い部隊や相手をする価値がない集団などは見逃す傾向にあった。しかし合理主義者のマイアーにはそういった面はなく、必要があれば相手がどうであろうと完膚なきまでに叩くことができたのだ。もっともフレッドの場合、相手が自分より強かったり自身が追い込まれるほどに闘志を燃やすという、武人特有の救いようがない性を持ち合わせており、マイアーに言わせると「追い込んだら一気にケリを付けないと逆に危なくなる」相手ということになる。
『そのことは、覚悟して国を出ましたからご心配は無用です。ところで私は皇国の首都にも行ってきましたが、この大陸の覇権国であることは疑いようもないですね。ユージェでは考えられない規模の繁栄でしたし、そこの兵たちもいずれ劣らぬ精強ばかり。やはりと言いますか、まともにぶつかれば苦戦は免れぬと思います。』
仮に今の自分がユージェの総指揮を執るとしたら、絶対に正面決戦は挑まない。もともと攻めてきた敵を領内の厳しい環境にある地に誘い出し、その環境に適応した種族の兵に迎撃させる計画であったが、皇国軍重装兵の単純戦闘力は予測の上を行っていた。有利な地形に誘い込んでも、容易に妥当し得る相手ではなかったのだ。
「今回こちらは防衛側になるんだから、その優位を生かして戦うさ。皇国側は仕方ないとして、ユージェ側にも結構な損害は出てしまうだろうけど、負ければ滅亡ともなれば悠長なことは言っていられない。君の言葉を借りれば「よりよい未来のために」というやつだね。まぁ私は迷わず最善の手段を選ぶよ。非情と言われても……」
マイアーが厳しい顔でそう決意表明をしたところに、ハゼルたちが戻ってくる。二通の書状を受け取ったマイアーは丁寧な礼を述べ、ヘルダ村を後にした。彼にはこれから、国の命運を賭けた大戦が待ち受けていて、それを一人で指揮しなければならない。双璧たるかつての教え子はもういない今、彼は唯一無二の至宝となったのだ。
『さて、皇国南部で起こった辺境民の叛乱が鎮圧されたら、次はいよいよ皇国とユージェの直接対決になりそうです。我々は戦後処理が忙しいとでも理由を付けて静観を決め込む予定ですが、一武人として大国同士の戦いには興味が尽きませんね。』
後日、静観を決め込むどころではなくなった自分に思わず失笑することになるが、ヘルダ村に押し寄せたユージェ軍が退却をした開墾期97日から、ブルート率いる援軍部隊が到着する育成期3日までは平和な時が流れたのであった。
45・領主の帰還
「みな、よくザイールを守り抜いてくれた!まさか援軍到着前にケリがつくとは考えてもみなかったが、とにかくその働きに感謝するぞ。この結果には、皇帝陛下もさぞお喜びであろう。」
L1028育成期3日、ブルートはヘイパー領主グロウや[破城崩壁]アウデンらとザイラスに入った。領主の帰還と、初めて目にする巨竜アヴニアの圧倒的存在感にザイラスは大いに沸き、戦勝記念も兼ねて盛大な祝賀行事が開かれることとなった。
「フレッドはヘルダか?あちらも一部隊の襲撃を受けたらしいが、被害状況はどのようになっていたんだ。主だった者に戦死者はないと聞いてはいるが……」
ブルートはザイラスに戻ると、防衛隊の総指揮官だったダウラスの報告を受ける。ガルディ防壁での戦闘指揮やその後の補給路遮断工作による時間稼ぎ、ヘルダ村の戦いに於ける戦鬼将コルトの撃破など、フレッドの戦果は目を見張るものがあったが、その当人は論功行賞に興味はないと言ってザイラスには来ていないのだという。
「戦鬼将コルトには7周期前に亡くなった兄君の魂が封じられており、そのため尋常ならざる力量を誇る傀儡人形となっておりました。フレッドさんとハゼル様はその魂を解放するために戦い勝利しましたが、今は静かに冥福を祈りたいそうでして……」
テアの報告を聞き、ブルートもダウラスも、その他の皆も一様に神妙な顔つきとなる。ユージェはもちろん皇国でも人体実験や魂を使う傀儡などの研究は違法とされており、それの被害者たるフレッド親子にはかける言葉も思いつかなかったからだが、そんな中アウデンはやや不思議そうな顔でつぶやく。
「ユージェ軍が兄君の魂を利用した……ということは、もしや[銀星疾駆]殿は皇国の出ではないということか。いや、陛下がお認めになった者の出自をどうこう言う気はないのだが、道理でレック種の扱いに長けておったわけだ。ようやく得心した。」
皇国重装騎兵団を率いるアウデンの下には、巨竜アヴニアを駆る精鋭のほかにもフレッドの活躍によりレック種の騎兵隊が追加されることになった。しかし約一年をかけてもフレッドの足下にも及ばず、練度を上げるのにはかなり難儀していたのだ。それと比べることができる今、フレッドの技量が並外れていたことを痛感するのだが、それをどのようにして身に着けたのかアウデンには興味があったのである。
「そのことは白銀宮に自分と招かれた際、陛下にはお知らせしてあります。陛下はそれを耳にしても動じることなくフレッドとも相対しておられたゆえ、ご心配は無用に願いたいところです。しかし、兄君と直接対決か。むごい巡り合わせだな……」
地方領主と言っても、皇国の席次ではかなり高い身分である。しかし二つ名持ちの兵団長は領主より上の立場なので、さすがのブルートもアウデンに対しての言葉遣いはどうしても丁寧になる。本来ならフレッドに対してもそうあるべきだが、試しにそれをやってみたところ「なんだか気持ち悪い」という意見で同意してしまい、従来通りの関係を保っていた。
「まあ、こちらも南部の鎮圧が終わるまでに遠征の準備を整えねばならぬからな。ヘルダ村に出向いてあいつに労いの言葉くらいかけてやりたいが、今はその時間すら取れない状況だ。心に一区切りついたら、あいつのほうから来てくれるだろうさ。」
ザイールに戻る途中のブルートに下った皇帝の勅命は、南部で起きた叛乱の鎮圧後にユージェへの懲罰戦争を仕掛けるゆえザイール軍および[破城崩壁]はそれに備えよ……というものだった。まだザイールからユージェ軍を撃退できるか分からず、仮に撃退できてもザイールは壊滅的な被害を受けている可能性だってある。聡明な皇帝らしからぬ勅命にブルートは違和感を感じたが、実際にその勅命は次席宰相ら保守派が中心となって皇帝に迫ったものであり、皇帝は「お主らが全責任を持ち主導するなら許可しよう」と譲るほかなかった。それほどまでに、大陸一の超大国たる皇国に攻め込まれたという事実は皇国民の誇りを傷つけてしまったのである。
「ところで、君の国の無事な姿も拝めたし私もヘイパーへ戻るよ。報告によるとヘイパーにだけは叛乱の手も及んでいないらしいが、それだけに南部各地から難民が押し寄せてしまっているとのことだ。その数は日ごとに膨れ上がり、もう10万にもなるというから、とても我々だけでは面倒を見切れん。陛下には援助の要請をしたが、それも到着には時間もかかろうからな。道中の州で、援助を頼みながら帰るさ。」
ヘイパー領主グロウ=ランサムはザイールに向かう途中で「南部にて叛乱発生」の急報を受けるが、ザイールの情勢が不明な以上わずかな兵でも減らすべきではないとの判断を下し、ザイールまで付いてきたのだった。すでに決着がついていると知っていたなら別の判断を下しただろうが、それを言っても仕方がないというものだ。
「ザイールからも、貯蔵物資をいくらか出そう。幸い、戦いは予想より早く終わり領内への被害も軽かったから、遠征用の兵糧集めは別個で行える。だから遠慮せず持って行ってくれ。ヘイパーは俺にとっても大切な場所だしな。」
その申し出をありがたく受け、グロウはヘイパー州へと踵を返す。ザイールに到着した翌日には出発するという予定を組むほどに差し迫った状況だったが、ここで一つ問題が発生した。せっかくの援助物資を運ぶ手立てに目星が付かなかったのだ。
『我が[華心剛胆]が、その物資輸送の任を担いましょう。荷車だけ用意していただけば、それで十分です。竜のほうはこちらで1200ほどご用意できますので。』
ブルートがザイラスに到着する予定日が育成期3日という報せを受けていたフレッドは、それに合わせる形でヘルダ村を出発していた。やや遅れてしまったのは、道中で「ユージェの残党が潜んでいる」という噂に出くわしたからだった。もっとも、正体はただ南部に帰ろうとする疎開民の一団だったが。
「来たかフレッド!今回は……いや今回も、だな。本当によくやってくれた。ところで、テアから話は聞いた。何と言っていいか分からんが、あまり考えるなよ?」
ブルートとグロウが輸送手段で悩んでいるところにやってきたフレッドが、輸送を引き受けると申し出たことで問題は解決する。一刻も先を急ぐ必要があったグロウは手勢と持てるだけの物資を抱え先に発ち、フレッドは準備でき次第ヘイパーへの道中にある州からも物資を集めながら向かうことが決定された。
『私には陛下の御認可状がありますから、可能な限りは融通してくれるでしょう。それにちょっと、中央山脈にはご挨拶に伺いたい方もおりますから。』
フレッドはプラテーナに今回の戦いの顛末を報せ、兄の魂を解放するために[龍ノ煌キ]の穂先を用意しておいてくれたことへの謝礼もしたいと考えており、これから何かと忙しくなるであろうザイールを離れることをどう切り出そうかと悩んでいたところに、この輸送手段に欠くという話が持ち上がった。そして、渡りに船とばかりに話の流れに乗ったのである。
「そうか……いや、そうするべきだよな。今にして思えば、あの教団長の言いようは未来を見通していたとしか思えない。敵に回せば間違いなく厄介な存在となるだろうし、礼は尽くしておく方がいいと俺も思う。そうだ!テアとマレッドもお前について行かせよう。ザイール州政府としても、教団長殿に誼を通じておきたいのでな。」
結局そこにフォンティカも加わり、軍務に明るいブルートとダウラスがザイールに残るという形になった。準備を整えザイラスを出発した[華心剛胆]は途中ヘルダに寄ってハゼルやバスティンらに輸送任務のことを伝えたが、ごく自然とリリアンも加わりヘイパーを目指すこととなる。この日L1028育成期11日、大国同士が初めて刃を交えたとしてラスタリアの歴史に残るこの年は、まだ300日ほども残っていた。
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