エピローグ
「俺、田中京介は異世界から帰ってきました」
こんな話を誰も信じてくれるわけもなく、まあ一時的に呼吸をしていなかった?みたいな話におさまった。大人たちにもかなり迷惑をかけたようで、先生にはかなり怒られた。
こうして幕を閉じたドタバタな一日も終わり、野中や飯島といった友人と帰っていた。
「いや~おどろいたわ~京介ほんとに死んだかと思ったわ~」
「心配かけたな、まあ生きてたんだしいいじゃねえか」
「そうだけどよ、お前言ってただろ異世界に行ったって。俺らが心配してる間にお前はのんきに夢なんか見やがって」
「ごめんて、死にかけてたからそんな夢見たんだと思う。ほんとごめんな」
「いいってもんよ、あとでアイスおごってもらうから」
「なんだよそれ、聞いてねえよ!まあしょうがないか。なにが食いたい?」
こんな平凡な日常もまあ楽しいもんだ。異世界の話はもう話さなくていいや。
あの無能女神を思い出すと腹が立つしな。
「おーい早くしないとおごりなしだぞ~」
俺は走り出す。まだこの現実が楽しいから。
「階段走るとあぶないぞ~京介、、、って京介後ろ!」
「えっ、あ、あぶない!」
前から階段を登ってくる小学生にぶつかりそうになる。
とっさに小学生はよけられたが、俺の体はななめになりながら空中に浮き、階段をころげ落ちて行った。
「いってぇ」
目が覚めた。あたりは少し暗く何も音が聞こえない。かすかに光が漏れる窓が、
(ん?なんだこの感じ。前にも同じようなことが、、)
「ようこそ死後の世界へ」
(あの窓、そして回転椅子、そしてなによりこの声!)
「あなたはこの死後の世界に来ることが、ゆ、る、、」
「あああああ!」
ふたりは同時に叫んだ。
「なんでおまえがここに、、」
「なんでまたあんたがここにきて、、」
俺はやっと状況を理解した。俺は今度こそ本当に死んで、
こうして俺、「田中京介」は、異世界にやってきました。
不本意ながら、無能女神「エミリア」の導きによって、、、
俺、異世界に行ったけど20分で帰ってきたって話する? 狐島 @tsukuito1313
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
カクヨムを、もっと楽しもう
カクヨムにユーザー登録すると、この小説を他の読者へ★やレビューでおすすめできます。気になる小説や作者の更新チェックに便利なフォロー機能もお試しください。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
関連小説
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます