幕間 とある外人さん達の夏葉原旅行

マイク「HEY! メアリーは、ニャル様の、どの化身のコスチュームをレンタルするんだい?」


メアリー「そうね。この、巫女の衣装にしようかしら。マイクは?」


マイク「俺はこの、ファラオにする。高貴さがあって、まさに俺にピッタリだろう?」


ダニエル「自信満々のマイクらしいぜ。俺は白衣だね。物理学者みたいでクールだ」


ケイン「良いねえ。僕は、牧師がいいかな。大人しくて」


ジャン「オイオイみんな、冒険心が足りないんじゃないか? せっかくのニャルラカートだ。もっと過激なので行こうぜ? この、全身触手だらけのはどうだい? JKスクールガールに、魚の妖精ふなっしーなんてのも、ダイナマイトでいいじゃないか」


メアリー「確かにクールだけど、魚のコスチュームは、なんだか酸っぱい匂いがするわよ?」


ジャン「メアリーは、JKスクールガールにしなよ。ニャル様らしくていいと思うぜ」


マイク「みんな、決まったかい? では、レジに行こうじゃないか。爆音でぶっとばそうぜ!」


 ……


 ……


マイク「What? Why? なぜ、衣装とカートが、別会社で別会計なんだい? 効率が悪いじゃないか……ふむふむ。衣装は、たまたま近くの別会社で借りた状態じゃないと、法的にまずいのか」


ダニエル「おかしいじゃないか。何の権利侵害になるっていうんだ? ニャル様は化身が多すぎて、肖像が定まらないから、肖像権はセーフだろう? パブリシティだって、顧客吸引力がどの化身から生じてるかわからないし、そもそも物のパブリシティは判決で否定されている」


メアリー「ダニエル、長いわ。どうしてそんなに詳しいの?」


ダニエル「ニャル様は生身の邪神であって著作物じゃないから、著作権も関係ない。

意匠権は、一意匠ごとに金がかかるから、とても化身全部を保護しきれないし、そもそも公知の意匠だ」


ケイン「あーあ、始まっちゃったよ」


ダニエル「不正競争? 衣装は商品等表示でもないし、デッドコピーは3年縛りがあるだろう? ニャル様が誕生なされて何年経ったと思ってるんだ」


マイク「おいダニエル、そのへんにしとけよ。楽しく乗れれば、それでいいじゃないか」


ジャン「擬似著作権? 著作権っぽい、法の根拠がない権利? それはおかしいだろ? JKスクールガールなんて、ただの女子高の制服じゃないか! ニャルと何が関係するっていうんだ!」


マイク「どうしてダニエルじゃなくてジャンが食いついてるんだ。みんな落ち着こう」


メアリー「ちょっとジャン。貴方、さっきアタシに言ったわよね? JKスクールガールはニャル様らしいから着たほうがいいって! 単にアタシに、女子高生の格好をさせたかっただけなの?」


ケイン「ほら……メアリーはかわいいからさぁ」


メアリー「ケインは黙ってて! おだてたって駄目よ。説明してちょうだい!」


ジャン「まぁまぁ。うるさくするのは、周りに迷惑だよ」

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