ジャジャジャジャーン!
SNS『シュットドン』は、メッセージの割り込みが可能だった。2者間の公開メッセージに対して、他の人も混ざることが出来る。
……
と、そのやり取りが、険悪な流れになっていた。
(くそ、こいつ……!)
姉さんを巻き込んでる!
俺の事は別にいいよ。いや、ホントは良くないけど。
Calc「あの、申し訳ないんですが、貴方の価値観を押し付けないでもらえますか?」
Calc「残念ながら、一歩及ばずでした。でも、全力で書きましたよ?」
ある意味、予想していた通りの流れ。
俺の心を、毒のこびり付いた言葉の槍でえぐってきた。
逃げたい!
今すぐこのスマホを叩き割って、いなくなりたい!
そんなタイミングで。
御大「いや、それはおかしいんじゃないかなぁ?」
御大さんは、投稿サイト「カキスギ」だけでなく、色々なところで、何度も長編賞を取っていて、その実力は誰しもが認める所。とても論理的で「正論という正義の拳で、スキなく殴りつけてくる」タイプ。
そこからは一方的だった。
御大「ここまでの流れを見て思うんだけど、そもそもの発端って、面白さの規準の話じゃなかったよね? 論点ズレてない?」
御大「公開した自作を卑下する事に対する、考え方の違いが、元々の論点なんじゃないの?」
御大「あと、論点ズレだとは思うけれど、面白さの規準って、その定義を共有できてないよね? お互いの定義が噛み合ってない状態で議論を続けても、こじれる一方だと思うんだけど?」
こんな具合で、どんどん追い詰められる、
結果。
御大「押し付けの定義はなんですか? 逆に言うと、
面倒くさくなったのか、その後、
その一連のやり取りの中、俺は何も出来なかった。
仲間内からは、御大さんの言葉に「そうだよね」「確かに」と、同意のメッセージがどんどんと投稿された。
そのおこぼれで、たくさんの励ましが、俺のところに来た。
「いいじゃん全力で書いたなら(*´ω`*)」
「次、期待してるで」
「改稿して、別のコンテストに応募するといいと思います。出版社によって、好みも違ったりすることもありますし」
「
御大「まぁ、実は俺は、読者にとって面白いかどうか、が一番大事だと思うけどね。(押し付けはしないけどね)」
御大さんの言葉に、同意のメッセージが大量について、その一連のやり取りは沈静化した。
Calc「みなさん、ありがとうございます」
と返すのが精一杯だった。
助けてもらってありがたいのは本音だけど、今はそれ以上に、
とにかく、寝たい。
夢の世界に逃げ込みたい。
俺の頭の中はぐちゃぐちゃで、今日はもうこれ以上、誰とも話したくなかった。
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