星降る夜には現代の科学を隠す
東京近郊に位置するここでは夜星は本当に明るい星しか見えない。東京が放つ残業している人々の明かりが星の光を隠すのである。ある人が言っていた
「人間は真実を隠し偽りで生きていく。それは自然にも現れる」
夜景がきれいになる代わりに自然の星空が消える。ネットが活発になるとリアルが衰退する。
この言葉の通りに、真実がどんどん偽りに隠されている。人間は自分たちが
屋上から夜の外を見るとそう考える。色々と問題が出てくるので入浴前後は子供たちにプライベートな時間を与えている。その間俺は屋上でこうして時間をつぶす。
「ちょっといいかな」
奥の階段から宗太郎が顔を少し出しながらこっとを見てくる。
「構わんぞ」
そう言ってベンチを立ち上げて手招きをする。
「僕、ずっと人に言えなかった事がるんだ」
「何だ?別に誰かに言う訳じゃないんだから言ってご覧」
俺がそう答えると宗太郎は目をつぶり
「仮に僕が人間離れしていてもきちんと接してくれる?」
まさか、宗太郎君がこんな事になった原因って・・・。
次の瞬間東京のまぶしい明かりが消え星明りのみが夜を照らす。
「僕の能力、なんか偽り消すらしい」
そう言って宗太郎君が目を開けると元の夜景に戻る。
「まさか、宗太郎君がこうなった原因ってその
一つの症状──現想同一視性症候群を思い浮かべる。
通常の人間とは異なり脳に何らかしらの障害を持ち、結果として常人以上の処理をこなし、それが現実に反映させる先天性の障害だ。
総患者数は全人類の1%にもなるらしいがその多くが予知や予言、いわゆるマジックなどの低能力である。
しかしながら稀に、天候を操り理論を曲げ、世界の法則を曲げると言った能力者が現れるらしい。
そう言ったことには詳しくはないが恐らく彼の場合は現実に目にとってわかる能力者・・・何と言ったっけ・・・まぁいい、そう言う事になる。
「うん、このいらない
皆には珍しがられてけどいじめの原因には成らなかったけど、親たちには嫌われた。
お母さんたちが死んだ理由もこの
成る程ね、宗太郎君の傷の原因はその
「でも、その
取り合えず否定させても始まらないので肯定できるようにする所から始めなければ。
「そう言うならこの
やっぱり、その返答か。
その後下に戻ってテレビを見てると一つの会見を生中継していた。
「『この人は裁判所からの令状とかを突きつけた私達から大切な子供を奪い取ったんです。証拠の音声もあります。私達の子供を返してください』
ご覧の通りです。ご両親が必死になって訴えているのに行政は何一つ仕事しません。この様な政府でいいのでしょうか?いいえ、良くありません、さあ皆さんも一緒に声────大変失礼いたしました。先ほどの会見は法律の下行われた行政措置にたいする反発意見の一つであり、視聴様の皆様には誤解を与えてしまったことを深くお詫び申し上げます」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。