第7話

 するとセロがため息まじりに言った。


「照れなくていいよ」


 すると清空が言う。


「ため息の多いやつだな。

 オトネ、セロの童貞を奪っていいからな?

 なんなら、その気にさせる薬を……」


 清空が、ふふふふと笑う。

 すると子どもたちが騒ぐ。


「その気ってなに?」


 歩が、無邪気な笑顔で清空に尋ねる。


「童貞ってなんだ?

 牛丼何個分の価値があるんだ?」


「牛丼で買えたらいいけどね」


 元太の言葉に隼人が笑う。

 すると愛が隼人に尋ねる。


「隼人くん、童貞の意味知っているの?」


「うん」


 隼人は小さく笑う。


「隼人くん凄い!」


 歩が笑う。


「隼人は物知りだな」


 清空も笑う。


「ってか、先生!

 子どもたちの前でなにを話しているんですか!」


 セロが、再びため息まじりに言った。


「そんなにため息をついているとしあわせが逃げるぞ?」


 清空がそういうとセロが答える。


「負のオーラを口から放つことで心のなかにある邪気を吐いているんですよ」


「あー言えばこう言う……

 お主のそう言うところ可愛くないぞ!」


「……別に可愛いとは思わないでもらっていいですよ」


 するとオトネが、ニッコリと笑う。


「ご主人さまは可愛いですますよ」


「はぁ?コイツのどこが可愛いんだ?」


 清空がそういうとオトネが笑う。


「こうやって照れるところが可愛いんですよ。

 ついつい抱きしめたくなっちゃいます!」


 オトネがそう言ってセロを抱きしめる。


「なにをするんだよ……」


 セロの顔が真っ赤になる。


「そうだな、可愛いかもしれないな!」


 清空が、そう言って豪快に笑った。


「で、お兄さんは山田さんのマンションに行くの?」


 隼人が、そういうと清空がうなずく。


「あ、そうだったな。

 話が脱線しまくった。

 山田のマンションに住むのなら私が口利きしてやるぞ?」


「お願いします」


 セロが、軽く頭を下げた。


「ああ。怪人ひとりを毎月倒せば家賃収入にはなるだろう」


「ありがとうございます」


「いや、気にするな!

 では、隼人たちを孤児院に送ったあとパン屋の山田に行くぞ!」


「あ、はい!」


 セロが、うなずくと一同は一旦孤児院に向かった。

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