「鍋島君、ところで佐賀の自国通貨Ｓ《エス》の調子はよさそうね」

「ああ、好調だ。思惑通り、各国での信用を掴んでいる」

「あれってやっぱり、最近流行りの仮想通貨からヒントを得たの？」

「いや、どちらかというと逆だ。目的は通貨発行権を手に入れることで、ヒントはポイントカードから得た」

「そう？　Ｓ《エス》はビットコインに近いんじゃいかなと思ったけど……ちょっと解説してよ」

「ああ、じゃ、簡単に説明しよう」

と、言うときの鍋島くんの解説は大体わからない。

「通貨は、『誰がケツを持つか』、仮想通貨は『誰が使っているか』だ。以上」

「はいはい、予想通り全くわからない。私にもわかるように説明してよ」

「理沙にもわかるように？　それは難問だな」

　いちいち、腹が立つ。

「じゃあ、あの、なぞなぞを覚えているか？　『カジノで絶対に儲ける方法』ってやつ」

「覚えているわよ

小説『願い事』第25話　株式会社佐賀県

works/1177354054880470369/episodes/1177354054883336012

に出てきたお話よね？

改版中小説『佐賀国大統領の願い事』

にはまだ出てこない。作者も頑張っているみたいだけど、滞っているみたいね」

「サクッと書いてしまえばいいのにナ……じゃ、説明を、始めよう」

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