第4話 選挙
「都知事選終わったね……ところで、私は大丈夫かな? 国民の支持を得られているかな?」
「は? 理沙にはそんなの関係ないでしょ? 何言ってるんだい?」
「は? って英章先生! 私、大統領なんだよ! 関係ないことないでしょう?」
「だって、佐賀国は民主主義じゃないよ。選挙なんてないよ」
「え? そうだっけ? あ、そうだったね」
「そうだよ、理沙の独裁政治なんだから、国民の支持があろうがなかろうが、理沙が次の大統領を指名するまで、ずっと大統領のままだよ。やるんなら革命しかないよ! 革命! レボリューーーション!」
「古っ――ふざけないでよ英章先生、似合ってないよ」
(若者に合わせたつもりなのに……古いのか……)「議員は選挙で選ぶんだけどね、大統領は指名制だから関係ない。まあ、そんなわけだから、選挙みたいなお金がかかることしなくて、ずっと集中して国政に励んでくれたまえ、おのずと国民はついてくるさ、心配すんな」
「だといいけど」
「そうだ、早いけど考えておいたほうがいいな、次の大統領候補を育成する機関を作っておいたほうがいいな。教育は僕の管轄だからね! うーんどうしようかな? とりあえず、エリート育成女子高ってのを作ろうか」
「なんで女子高なの? そこ、趣味入っていない?」
「おいおい、佐賀国の大統領は女子だけだよ。佐賀国憲法で決まってるだろ? 女子大統領をこぞって男子が支えるんだ。これ、古代日本にならってのしきたりさ。吉野ヶ里遺跡がある佐賀だから、卑弥呼をイメージしたんだ」
「ですよねーーー」(ホントにそんなことになっちゃったんだ……)
「ちゃんと考えといてな! 二代目大統領を決めるのは理沙なんだから」
「了解! 早く見つけて代わってもーらおっと!」
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