労働


労働というものは

とても厄介だ。

金のために始めたのに

人の所為で辞めれない。

辛い苦しいもう辞めてやる。

そう思いつつ辞めれない。


自分がもっと立派な人間だったら

パソコンをかたかたやるだけで

金を作れたかもしれない。

人と話してアイデアを売るだけで

成功したのかもしれない。

私はどうにも

そういうわけにはいかなくて

結局人の下でひいひい言いながら

誰でも代わりの効く仕事を

毎日毎日こなしている。


嗚呼 こんな惨めな大人に

なるつもりではなかったのにな。

私は特別になりたかった。

私にしかできない仕事をして、

皆に尊敬されたかった。

そしてお金持ちになりたかった。

少なくとも休み一つを貰うのに

びくびくして申し訳なくなど

思いたくはなかった。


必死にしがみついてる今の仕事だが

辛くなると何もかも

理不尽に感じてしまうから情けない。

他ばかり見てあっちの方が

条件がいいなとかなんだとか

ぶつぶつ文句が途切れない。

それなのにせっかく築いた

あやふやな人間関係を

壊してしまうことにただ怯えて、

チャンスがあっても動けない。


でも何だかんだ言って

今の仕事が好きなんだろう。

残念なことに労働者がいなくちゃ

この社会は回らない。

だったら私が背負ってやるよ、

最初は金のためだったがな、

今では立派に人の為。


なんて格好つけてみても

辛いものは辛い。

苦しいものは苦しい。

せめて笑ってようぜ、

馬鹿みたいに見えるだろうが。


親が、国が、私の教育にかけてくれた

金は一体なんだったんだ。

自分は一生このままかもしれんが

子供には立派になって欲しいなあ。

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