起床
この世には
太陽が一日中登らず
夜が永遠に訪れない
そんな国があるらしい。
私そこに行かなくては。
昨晩寝たのは丑の刻でも
窓の外が明るくなれば
私はもう起き上がって空を見上げる。
あの人は朝日が好きだと言った。
だから私も好きだと思った。
でも本当は日など登らなくても良い。
太陽が顔を出すまでの
あの明るく澄んだ時間が好きだ。
日が登ると影ができるから
私はどんどんどんどん
暗く冷たくなってゆく。
それでもどうしても敵わないのは、
太陽は毎日登るということで
私はただ抵抗の術なく
じっと一日が始まるのを耐えている。
溜息をつきたくなるぐらい
のろくて圧倒的な拷問。
黄昏時がやって来るまで、
私は息もつけずに
時が流れるのをじっと待っている。
そしていつも私が凍え死ぬ直前に、
平等な夜がやってくる。
そして私には
夜も寒くて冷たい。
我儘、私。
昼も夜も来なくて良いから
太陽が一日中登らない
そんな国に私いかなくては
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