第13話 五番隊隊長

 その空気を壊すように、僕らに向けて声をかけてきた男がいた。

「よお!久しぶりだなガリレオ、元気してたか?」

 声のほうを向き、ガリレオ隊長は顔を少しほころばせた。

「なんだマルコか。少しお前の基地にお邪魔させてもらうぜ」

 差し出された右手を握り返しながら二人は和やかに挨拶を交わす。

「こんな時にお前が来るなんてなぁ。なんか用か?」

「あぁ、彼を連れてきたんだ。名前はライオット。ジョーカーさんのご子息なんだが、たまたまルシファー襲撃に居合わせてな。唯一の生き残りなんだ」

 隊長が僕を示すと、それに従ってマルコと呼ばれた男は僕のほうを見る。反応の仕方が分からずに僕はあいまいに返事をしてうつむく。

「そうか、そりゃ災難だったが、生き残れたなら充分幸運だったな」

 その声とともに差し出された掌がいきなり目の前に現れて、僕は驚いて体をのけぞらせた。その様子を見てマルコさんは笑う。

「悪い悪い。改めて、俺の名前はマルコ。マルコ・デーチスだ。イデア聖騎士団の五番対隊長をやってる。よろしくな、ライオット君」

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