第12話 駐留所

 ウンディーネに着いた僕たちはまず、騎士団の駐留所へと向かった。

「……なんか皆不安そうですね」

 普段ならもっと賑わっているであろう商店街を歩きながら僕は思わず呟いた。

「当然ね。たった一晩で大聖都が陥落したんですもの、ましてここはその大聖都に程近い場所にある。次はここが狙われるかもしれないし」

「ここが、戦場に……」

 一瞬数日前の凄惨な光景を思い出し、それが目の前の街と重なる。気が狂いそうなほど見たくない光景だった。

 そうこうしているうちに僕らは商店街を抜け、駐留所へとたどり着いた。

「イデア聖騎士団第四部隊、隊長のガリレオ・J・アルバトロスだ。中に入りたい」

「確認しました。どうぞ」

 門兵と敬礼を交わし、門をくぐる。内側はほどほどに装飾が施され、街と比べると少しだけ華やかな印象を受ける。だがやはり、そこの空気はひりつくような緊張感に包まれていた。

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