第6話 部員集め!
俺は恐る恐る話しかける。
「あの・・・それでいいのか?表向きが『お悩み相談』部なら、クイズ研究をしてるとこに、いろんな悩みが来るかもしれないんだぞ?」
三秒後、返答があった。
「・・・そんな人気でるもんじゃないわ、お悩み相談なんて」
「そ、そうですか・・・」
「じゃあね。どうしたって、後二人入れなきゃなんだし・・・いろんな人、誘ってみて」
顔を見せずに、自分のクラスに入っていく栞里を、俺は茫然と見ていた。
…本当に、俺はどうすればいいのか。
美陽に聞いてもらう愚痴が、増えてしまった・・・。
***
「ねえ湊?めちゃくちゃげっそりしてるよ?大丈夫?」
玲央が心配そうに声をかけてくる。
彼は、俺の身に起きていることをすべて知っているのだ。
「大丈夫なわけあるか・・・。俺、お悩み相談部に入ることになるかもしれないんだぞ・・・?」
「栞里さんは、それでもいいって言ってるの?」
「んー、もうそれがよく分からん。感情起伏激しすぎなんだよな、あいつ・・・。はあ・・・部員も探してくれって言われてたけど・・・。。あ!!お前、俺と同じ帰宅部じゃないか!?な!?」
「う、うん?」
「はっ、入らないか!?お悩み相談部…という名のクイズ研究部!」
「・・・いいの?僕を誘って」
「・・・え?」
純粋に驚いた。
玲央がそんなことを言うとは思わなかったのだ。
「僕が入るって言ったら、クイズ研究部の成立に近づいちゃうんだよ?それでもいいのかってこと」
「あ、ああ・・・」
俺は頭をかく。
想定外だった。
いいの・・・だろうか。
言葉と考えがどうしても一致しない。
「なんつーか、、あいつが悲しむのだけは避けたいというか・・・なんだろ、あいつどうしてもクイズ研究っていうのをやりたいみたいだし・・・ん、ほんと・・・あいつに悲しい顔してほしくないっつーか」
玲央が神妙な顔つきになった。
「な、なんか大変なことに・・・三角関係か・・・」
「あ?なんか言ったか?」
「う、ううん!?で、僕は別にいいよ?湊と一緒なら何かと楽しそうだし!」
「おお!好反応・・・ああっと、もう一人いるんだっけか・・・」
「りーちゃん誘ってみたら?」
「り、凜香!?うえー、めんどくせえよ。何かと大変そうだし・・・。それにあいつ、バスケ部だぞ」
「あー、そっか。じゃあダメかなぁ?」
そんなこんなで、あと一人・・・という訳なのだが。
栞里は相変わらず、憂思な様子である…。
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