第20話 根性焼き

 今日はデイケアに行こうとしたが、朝が起きられなかった。よって、今日は昔のことについて語ろうと思う。

 僕の左手の甲には、根性焼きのアトがうっすらと、それもたくさんある。不安定だった頃の勲章みたいなものだ。根性焼きをすると、まずは皮膚が水でたまってプクッとなる。火傷の直後の状態である。そして、それを潰すと黒いアトが残る。つまり、根性焼きをすると半永久的に傷が残ることになる。タトゥーみたいなものだ。

 今までは自分を認めてほしいという思いでやった。どれだけ自分に自尊心がなかったことか。

 今はそんなことはしない。

 だって、純子さんが居てくれるから。

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