夏詩

こんな日は家に籠っていたい


外では賑やかに蝉がないている


暑い日だ

今年きっての猛暑日だ


クーラーをつけた

少し肌寒いくらいの部屋で

スマホを片手に寝そべっている


部屋から出たくない

そう思いつつ

少し勿体無いなとも思う




小さい頃みた夏の美しい風景を思い出す

空は青く

緑が生い茂り

アスファルトは輝き

景色はゆっくりと揺れる

蝉はここぞとばかりに声を張り上げている

メラメラとした熱気の中

じわじわと体に伝わる感覚が実に心地良い


もちろん心地良いのは最初だけだ

その後に待つのは熱地獄


日差しはきついわ

汗は出るわ

頭はクラクラするわ


本当にきつい


だがそれでも夏は好きだった

とめどなく日差しに晒され

汗は滝のように流れ

気を抜けば意識が朦朧とする様な中

友だちと色々なことをして遊んだ


アイスを食べたり

鬼ごっこしたり


サッカーもしたし

蝉捕りに

川遊びなんかもした



この歳ともなると

そういう遊びができなくなる...




そんなことを思い出しながら

家をでる


先ほどまでクーラーに当たっていて冷えた体が

外のモワッとした熱気に包まれる


じんわりと熱気が体をあたためる感覚は

今も変わらずに好きだ


それもつかの間

すぐに汗が出てくる


小さい頃見たよりも

景色は衰えた気がする

歳をとったせいだろうか


それでもこの景色は美しい



その後若干

「部屋に籠っていては勿体無いな」

とか思ったことを後悔したが


こんな日はわざわざ部屋からでるのも

悪くはない気がする


夏の景色を一瞬くらいは

楽しまなきゃ損だと思う

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