私詩

私が私であるために

私は周りを気にする


周りを気にしては

自分が人にどう映っているのか

いつも考える


いつも考えては

少しでも人を良くしようと

見栄を貼る


見栄を貼っては

空回りをして

失敗をする



そうして失敗しては

いつも泣いていた


泣いてはいつも

愛犬に慰められていた


そんなある日のこと


座ってこちらを見ている愛犬が

突然喋りだした


ありえないことだろう

笑ってくれ


でも確かに言ったんだ

「君は周りを気にし過ぎなんだよ

もう少し肩の力を抜いて

もっと周りの人たちを見てごらん

君は君なんだから

気にし過ぎないで

君は君が思うほど悪い人間じゃないよ

悪いことさえしなければ

胸を張っていられるんだから」



どれだけ泣いたかわからなかった


でも不思議と悪い気はしなかった


いつも流した涙と全く違う

不思議な時間だった



今思うと夢だったのかもしれない

でも私はただの夢とは思えない


次の日の朝に見た愛犬の顔は

なんだかケロッとしていて

少し笑ってしまった


今でも私は愛犬に感謝をしている

仲良くしているよ

長生きしてほしい


さすがにもう喋ってはくれないが


まだあの言葉は私の中で生きている


私も誰かの心にあんなうたを残せるだろうか


でも今はまだ「ありがとう」

これに尽きる

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