第9話 憂鬱 『11月17日(金)』
今日は1日憂鬱だ。副教科が無く英語が二時間、さらには保健体育がある。が、今日はそれに遥とデートにいけないというのが上乗せされる。というかこっちの方が大きい。そしてデートの日じゃないということはほとんど接点がないということで、
「おい、宮地。空に何かいるのか?」
「鶏が見えますねー」
「…………鶏は空が飛べない鳥だ」
「飛べない鶏はただの鶏です。そんな固定概念から外れたいという意思が彼を羽ばたさせたのでしょう」
「ほう、なかなか面白い考えだ。興味が出た。放課後、進路指導室でゆっくり続きを聞かせてもらおうとするか」
まずいまずい…………
「まじっすか…………先生の帰りが遅くなるのを憂いて辞退させていただきます」
「今日は金曜日だ。良かったな、心ゆくまで話して良いぞ」
「あ、今日は祖母の家に行かなければ……」
「机の中に隠してるゲームを没収されるのとどっちが良いか選ばせてやろう」
「………………放課後伺います」
「うむ、よろしい。おい、駄弁ってるやつら。宮地の巻き添えを喰らいたくなければ授業に戻るぞ」
『はーい』という残念そうなため息が教室内の各地で発せられ、それが合図となって授業が再開される。お前ら覚えてろよ。いかん、思考回路が荒れてきた。
担任の
そしてそんな
なんとなく遥の方を向いたら笑っている遥と目が合った。目が合って、うれしいけれど恥ずかしくてすぐに逸らしてしまう。でもまあ、笑っている遥を見れたしこれで居残りはチャラとしよう。
このとき僕は知らなかった。
この後予想だにしない苦痛が待ち構えているとは…………
まさか各階の全てのトイレを掃除させられるとは…………
遥の笑顔を貶めるつもりは無いが、笑顔一つじゃ全然割に合わない。
14時間の距離だけど、君に伝えたい『恋』がある。 みやじい。 @miyazii
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
フォローしてこの作品の続きを読もう
ユーザー登録すれば作品や作者をフォローして、更新や新作情報を受け取れます。14時間の距離だけど、君に伝えたい『恋』がある。の最新話を見逃さないよう今すぐカクヨムにユーザー登録しましょう。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
関連小説
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます