爪痕
皮膚を引掻いたとき
真っ赤なラインがひかれる
それと同じように
物事には爪痕がある
私に自由を教えてくれた人は
私の虚栄心と
偽りと
真面目さに爪痕を残した
薄い風船の膜を裂いたように
その人は私に自由になっていいといった
裸足で歩いているみたいだった
ありがとうと言いながら
走っていた
びりびりに破れた虚栄心とか
偽りとかのくだらない感情を持っていた
途中で捨てた
その人と私の距離が離れていく
寂しかった
あとは私の自由だけがあった
涙が出た
自由を教えてくれたことに
教えてくれた人に別れを言わなければならないことに
さようなら
ありがとう
またね
もう一度会いたい
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます